本島北部で激しい雨が降った2~5日にかけ、やんばるの海に赤土が流出していた。赤土はサンゴの光合成を妨げて、生態系にも悪影響を与える。観光や水産業への影響も懸念される。赤茶色の海を見ると、つらい気持ちになる

▼1995年の県赤土等流出防止条例の施行で、開発工事に規制がかかるようになった。県全体の年間流出量は施行前の約6割まで減少したが、依然として環境への負荷が続いている

▼県によると、流出源の約8割が農地だ。土地を耕す時期や収穫後に土壌がむき出しになることで赤土が流出するため、農家と行政が連携し、継続的、積極的な対策が必要になる

▼先進的に取り組む大宜味村では、約7年前から畑周辺にイネ科の植物ベチバーを植栽し、農業環境コーディネーターを配置。赤土問題の深刻さを伝える絵本「赤土ザウルス」も発刊し、各学校や図書館などに配布して環境教育にも力を入れている

▼絵本は、山や海の生きものたちが合体して赤土ザウルスになり、農家も一緒になって赤土の象徴「どろどろドロゴン」に立ち向かう物語

▼あとがきには「ドロゴンは一人一人の心の中にある身勝手さが生んだ怪獣」と記されている。絵本の生きものたちのように、海のために人間も結束できたら。赤土ではなく、朝日や夕日で染まる美ら海を眺めたい。(吉川毅)