■沖縄県医師会編[命ぐすい耳ぐすい](1190)

 皆さんは、足の動脈に触れたことはあるでしょうか? 手の動脈に触れることは、血圧測定や不整脈を見分ける際によく行われていますが、足の動脈に触れる事も、足の動脈硬化の有無をチェックする上で大切な方法です。通常、足背や足首の内側を走行する動脈で確認します。もし、それらの部位で動脈の触れ方が弱いとか、触れないといった場合は、その足を走行する動脈が狭くなっていたり、詰まっていたりする閉塞(へいそく)性動脈硬化症という病気の可能性があります。

 閉塞性動脈硬化症は、喫煙や糖尿病、高血圧症、脂質異常症、加齢等、動脈硬化の危険因子を持っている方に多くみられ、狭心症や脳梗塞等の血管病を合併する事も多いことが知られています。自覚症状としては下肢のしびれや、痛み、歩行を続けると足にだるさや痛みが生じて歩けなくなり、しばらく休むと再び歩けるようになるという間けつ性跛行(はこう)等が挙げられ、他覚症状としては、足の冷感、毛が少ない、皮膚色調の異常(蒼白(そうはく)、チアノーゼ)等が挙げられます。

 重症になると、皮膚の潰瘍や壊死(えし)を生じ、最終的に下肢切断を余儀なくされる場合もあるので、早期発見がとても大切です。

 閉塞性動脈硬化症を疑った場合には、まず初めに両側の足首の血圧と上腕の血圧を同時に測定する医療機器で検査を行います。正常では、下肢の血圧は上肢の血圧よりやや高くなるので、足関節収縮期血圧÷上腕収縮期血圧は1以上になりますが、閉塞性動脈硬化症の場合は、下肢の血圧は上肢に比べて低くなり、さらに足関節収縮期血圧÷上腕収縮期血圧の値が低いほど、重症である事を意味します。

 診断確定後の精密検査や治療については、紙面の都合上、割愛しますが、50歳以上の方は、まずご自身および身の回りの高齢の方の足の動脈に触れてみましょう。そして、あれっ、脈が触れにくいかも、と感じたなら、まずは、かかりつけ医にご相談下さい。(玉城徳光 恩納クリニック)