高校生を含む20歳未満の少年の間で「大麻汚染」が広がっている。

 県警の発表によると、5月末までに、高校生3人を含む少年5人を大麻取締法違反容疑で逮捕、高校生2人を含む少年5人を那覇地検などに書類送検した。

 捜査継続中の事案もあり、摘発者数はさらに増える可能性がある。

 大麻取締法違反事件で少年が摘発されるケースは2015年が5人、16~18年がそれぞれ7人だったのに対し、今年は5月末現在で早くも10人を数える。このうち5人が高校生だ。

 大麻に手を出す若者が急増しているのは全国的な傾向である。なぜ今、大麻なのか。

 摘発事例から浮かび上がるのは、入手方法の点でも心理的な面でも、大麻に対する「ハードル」が低くなっていることである。

 インターネット上の会員制交流サイト(SNS)の普及によって、高校生でも、入手方法を調べるのが容易になった。

 実際、短文投稿サイト「ツイッター」には、「野菜」という隠語を使ったそれらしい書き込みが数多く見られる。

 ネットには、大麻が有害でないことを強調するような情報も多い。

 「依存性が低く、体に悪影響はない」との情報に接し、心理的なハードルが下がっている時に「友人に誘われ」たら、どうなるか。「興味本位」で手を染める高校生が増えるのは、十分に予想されることだ。ハードルを高くしていく試みが必要である。

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 どのようにしてハードルを高くしていくか。

 大麻は、大麻取締法によって無免許の栽培や所持等が禁止されている違法な薬物である。

 脳などの中枢神経系に影響を及ぼし、認知機能の低下、思考の分裂、妄想・幻覚などを引き起こす。依存性があることも、専門家の間で認められている。

 インターネット上の誤った情報をうのみにしないような、科学的な知見に基づく情報教育が必要だ。

 「危険ドラッグ」の取り締まりが強化され、入手が困難になったため、その代用品として再び大麻が注目されるようになったのではないか、との指摘もある。

 成人を含む大麻事犯の都道府県別検挙状況をみると、九州では件数・人員とも福岡と沖縄が群を抜いて多い(16年)。なぜ、そうなのか。

 有効な対策を講じるためには、きちんとした原因分析が欠かせない。

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 県教育庁は7日、県立学校の緊急校長研修会を開き、薬物乱用防止の取り組みを強化していくことを確認した。

 危機感を共有するのは再発防止への大事な一歩である。

 学校側は、大麻がらみで逮捕されたり、書類送検された生徒をどのように処遇するのだろうか。

 「一罰百戒」の観点から退学などの厳しい処分を実施するのも一つの考え方ではあるが、それが問題の解決につながるかは疑問だ。学校から排除するだけでは社会的なまん延を防ぐことは難しい。