沖縄タイムス+プラス ニュース

[私の公設市場物語](1)ボーダーインク 新城和博さん 暮らしの場ここに 地域・世代超え人が集う

2019年6月12日 05:00

 第一牧志公設市場は16日に現施設での営業を終える。市場に関わる人たちに市場での思い出を振り返ってもらいながら、市場に望むことなどを聞いた。1回目は「ボーダーインク」編集者で市場かいわいで生まれ育った新城和博さん。(聞き手=社会部・比嘉桃乃)

「小学生の頃はよく2階に上がって遊んでいた」と振り返る新城和博さん=5月24日、那覇市の第一牧志公設市場

 コラムマガジン「Wander(ワンダー)」の創刊号(1990年)では第一牧志公設市場を取り上げようと、当時大学院生で、精肉店でアルバイトをしながら市場の人たちの販売技法や同じ業種がなぜ共存できるのかをテーマに研究していた小松かおりさん(現北海学園大学教授)にインタビューを申し込んだ。

 僕は那覇市の開南出身ということもあって小さい頃から買い物する母親に連れられて市場にはよく来ていた。72年に建て替えられる前の市場も木造の薄暗い雰囲気でなんとなく覚えている。学生時代はずっとここが遊び場。高校の頃はワンダーフォーゲル部に所属していて、ここでよく野菜を調達してやんばるまで出掛けていたなあ。大学生になってからも「沖縄ジァンジァン」に向かいがてら市場を通っていた。

 編集者としての目線で市場を見るようになったのは80年代後半から。ここに来たら、沖縄のいろんな世代やさまざまな地域の人に出会える。それぞれの時間の流れがあって、とぅるばれる(ぼうっとできる)のが魅力。日本にこんな市場はなかなかない、こんな面白い所はないと感じた。

 市場に行く一つの理由がこの「冷しレモン」を飲むこと。「レモン」だけどシークヮーサー味というのが面白いし、あの小さなスペースでずっと続いているというのもすごい。

 90年代前半、2階の食堂では遠距離恋愛中だった妻が沖縄に来るたびによくご飯を食べた。違う店も使うようになったけど、ご飯を食べたり飲んだり、僕の中での楽しみ方は変わっていない。

 今でもお盆や正月の時季が近づくと、公設市場で1、2品を調達する。そうすることでスーパーで買うよりも時間のメリハリがつけられる気がする。市場の形は変わるけど、ここにいる人は変わらない。(建て替えは)これからも市場が続いていくための一つのステップ。暮らしの中で買い物がてら、散歩がてら立ち寄ることができる市場であり続けると思う。

 しんじょう・かずひろ 1963年生まれ。出版社「ボーダーインク」の編集者で那覇の街を歩いたり、自転車で巡ったりした「ぼくの〈那覇まち〉放浪記」を出版した。研究者や市場関係者、市場好きが集まって市場について語り合う「マチグヮー楽会」にも参加する。

ありがとう牧志公設市場 ウェブ写真館
1960年代から現在まで、本紙が取材で撮影した写真を多数掲載しています。心に刻みたい沖縄の風景、こちらからチェックできます。

 
前の記事へ 次の記事へ
沖縄関連、今話題です(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
注目トピックス
今日もガッツリ!運転手メシ「お肉の名店」特集
今日もガッツリ!運転手メシ「お肉の名店」特集
運転手メシ特別企画「お肉の名店」特集です。夏こそ!ガッツリ!食べて!元気チャージ!!
高校野球
高校野球
第101回全国高等学校野球選手権沖縄大会(6月22日~)の全試合をイニング速報します。
大久保寛司が語る人と経営みらい塾
大久保寛司が語る人と経営みらい塾
お陰様で11周年目を迎えます。 今年も受講生が期待できるテーマを準備して引き続き開催致します。
LINE@公式アカウント紹介企画
LINE@公式アカウント紹介企画
企業や団体の「LINE@」を紹介! 友だち追加でお得な情報やクーポンをゲットしよう!!
しまくとぅば広告
しまくとぅば広告
消滅の危機にある「しまくとぅば」をもっと使おう!
週刊沖縄空手が読み放題
週刊沖縄空手が読み放題
空手発祥の地・沖縄から毎週発信! 電子版で「週刊沖縄空手」が世界のどこでも読めます。
今日もがっつり!運転手メシ
今日もがっつり!運転手メシ
沖縄タイムスの運転手がつづるグルメブログ。「安い」「おいしい」「腹いっぱい」の食堂や総菜屋さんを紹介します。
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
マンガ家大城さとしが行く!沖縄のじょ~と~企業探訪
おばあタイムスでおなじみのマンガ家・大城さとしさんが長編マンガで沖縄の企業を紹介するシリーズ企画です。
命ぐすい 耳ぐすい
命ぐすい 耳ぐすい
沖縄県医師会の各分野の医師による医療・健康に関するコラム
アクロス沖縄
アクロス沖縄
東京発 各分野で活躍する情熱県人らを紹介
ワールド通信員ネット
ワールド通信員ネット
世界各国の沖縄県系人の話題を中心に、海外通信員が各地のニュースをお届けします