沖縄県小中学生調査の自由記述欄は、生活や進路への不安、行政への要望など保護者や子どもたちの切迫した意見であふれた。

(資料写真)浜辺で遊ぶ子どもたち

沖縄県小中学生調査に寄せられた声

(資料写真)浜辺で遊ぶ子どもたち 沖縄県小中学生調査に寄せられた声

 保護者からは、生活保護家庭の子どもでも、部活動ができる支援を望む意見が上がった。ユニホームや用具の費用が壁となり、諦めざるを得ない状況があるとの問題提起だ。制服や教科書などの再利用制度の充実、子ども医療費無料化の年齢引き上げを求める声のほか、支援拠点や人材が少ない離島での育児不安もうかがえた。

 ひとり親や住民税非課税世帯へのサポートが重要な一方で「両親共働きでも、低収入で生活に苦しんでいる世帯がいる」との訴えもあった。

 4人の子育て中で、夫が働けない状況にある回答者は「朝から夕まで毎日仕事で子どもはほったらかし。特に下の2人は生まれてきて幸せなのかなと思う。生んだことを後悔する時がある」とつづった。

 一方、子どもからは「自分に自信がない」との記述や、「家も学校も過ごしにくい。相談できる人もいないため『死』を考える」と孤独感をにじませる悲痛な声も。親の経済的負担を察し「バイトなどで働いてお金をもらって母に親孝行したい」という子もいた。

 保護者と子どものどちらも、子どもの居場所や無料塾を知らないという意見も目立ち、行政など支援者側が取り組みをどう周知していくか検証する必要がありそうだ。

学童保育「困窮層への補助検討を」

■調査を受託した教授ら意見

 県小中学生調査について14日に県庁であった記者会見には、県担当者のほかに3人の識者が同席し、意見を述べた。

 沖縄大学の山野良一教授は、放課後児童クラブ(学童保育)の利用料が高額で、利用を諦めたと答えた割合が、困窮層ほど高かった結果に触れ「補助を検討してほしい」と要望した。困窮層ほど子育ての負担感や孤立感を強く感じていることが示された背景には「長時間労働による疲労感があるだろう」と分析。「子どもが小さいときから親が働く割合が全国より高い。子育てに目がいかなくなる恐れもある」と指摘した。

 制服などの再利用制度について琉球大学の本村真教授は、部活動で使う用具などにも広げるよう提言。経済状況によらず部活動に参加できれば「体を動かすのが得意な子はさらに自己肯定感が上がる。所属感や仲間意識を高める意味でも有効」と語った。

 調査を受託した大阪府立大学の山野則子教授は、子どもの居場所が全国で最も多いなど貧困対策を重点化する沖縄の姿勢を評価した。

 一方で、必要な世帯に支援が届かない課題について、学校を拠点にする重要性を説明した。学校で子ども食堂に取り組むNPOや自治体が広がり「不登校が半減したり、朝ご飯を食べるので子どもたちの集中力が上がったり、遅刻がゼロになったりという成果が出ている」と紹介。「義務教育や学校とつながる施策を具体的にやっていく必要があるのではないか。子どもの最善の利益のため、教育委員会と市長部局(福祉)の壁をどう越えられるかだ」と訴えた。