宜野湾市大山の住民の血中から有機フッ素化合物が高濃度で検出された問題で、京都大学の小泉昭夫名誉教授、原田浩二准教授が16日、同市の中央公民館で調査結果を報告した。水道水は安全だとした一方、水道水を飲用していない住民や、同時期に調査した南城市民の血中濃度も全国平均より高かったことを受け、他にも汚染経路があると見て、今夏にも大気調査を実施すると説明した。

メモを取りながら聞く参加者ら=16日、宜野湾市中央公民館

 血液検査は大山住民44人、南城市津波古の住民61人を調査。大山で水道水を飲用している住民はPFHxs(ピーエフヘクスエス)の血中濃度が1リットル当たり20・4ナノグラム(全国平均0・31ナノグラム)で、水道水を飲まない大山住民は同11・5ナノグラム。津波古住民は水道水を飲む人が同4・0ナノグラム、飲まない人は同3・9ナノグラムだった。

 小泉氏らは、北谷浄水場が水質基準の参考にしている米国の生涯健康勧告値(同70ナノグラム)は安全性の高い数値であると説明。「現在の値であれば水道水を飲み続けても健康に影響はない」と強調した。一方、有機フッ素化合物の有害性として生活習慣病や胎児の発育不全が指摘されているとし「地域ごとの発がん率を調べるなど情報収集が必要。県や自治体の調査を拡大するべきだ」と話した。

 また、航空基地との関連性を推測。有機フッ素化合物を含む泡消火剤を使うことなどから、汚染が大気経路である可能性を示唆。今後、宜野湾市と南城市で空気を採取し、ちりなどに含まれる有機フッ素化合物を調べる予定とした。

 報告会には約200人が参加し、関心の高さをうかがわせた。浦添市の女性は「汚染された水を飲まされていたかと思うと、衝撃と怒りでいっぱいだ。安全な数値だと言われても不安が残る」と話した。