オリオンビールが缶チューハイの製造を委託した会社が、酒類の営業許可を取っていなかった。オリオンは製品を自主回収しつつ、地元2紙に告知広告を掲載し、ホームページでも報告した

▼消費者に説明してはいたが、経営幹部の記者会見がなかったことに違和感があった。オリオン関係者に理由を聞いてみると「品質には問題がなかったし、会見はカメラの前で頭を下げるイメージが強くて…」。良い印象がないようだ

▼JAおきなわからJA共済連県本部に出向した職員が、共済金1893万円を不正取得する不祥事もあった。架空の事故を改ざんしてお金を払い出し、契約者の信頼を損ねた。同僚記者が「なぜ記者会見しないのですか」と食い下がったが、共済連側が必要ないと判断したという

▼経営陣が記者会見で、カメラの向こうにいる消費者や契約者へ説明責任を果たし、再発防止策を明らかにすることは、信頼を回復するチャンスでもある

▼企業側からの発表だけでは、一方通行になりがちだ。会見には多様なメディアから記者が集まる。取材経験に基づく質問に組織改革や、商品・サービスの質を高めるヒントがひそんでいるかもしれない

▼会見をつるし上げの場と捉えず、顧客と双方向で対話し、経営改善に反映させる好機という視点を持ってみてはどうだろうか。(吉田央)