沖縄工業高等専門学校発のベンチャー企業シルクルネッサンス(名護市、伊東昌章社長)と総合食品メーカーの大関(兵庫県)は19日、カイコの気管から成分を抽出して試験管でタンパク質を作る独自の技術を活用し、タンパク質の受託合成サービスを始めると発表した。大学や企業などの研究開発に必要な多様なタンパク質を作って提供する。シルク社は2020年度に7500万円、大関は3千万円の売り上げを目指す。

「無細胞タンパク質合成法」を活用したタンパク質の受託合成に乗り出すシルクルネッサンスの伊東昌章社長(中央)と大関の総合研究所の坊垣隆之所長(右)と幸田明生副所長=19日、県庁

 シルク社の技術「無細胞タンパク質合成法」はカイコの幼虫から、繭糸の材料であるタンパク質を作る気管「後部絹糸腺」を摘出し、粉砕、抽出した細胞抽出液などを使って試験管内で合成する。遺伝子組み換えや細胞などの培養が不要で、通常1カ月以上かかる納期を15日に短縮。細胞に機能障がいを与えるタンパク質なども作れる。

 大関はこれまでにも、こうじ菌や遺伝子組み換えカイコによるタンパク質合成サービスを提供しており、今回シルク社からノウハウの実施許諾を得たことで、幅広い顧客の要望に応える。8月19日から10月31日までは1種類当たり税別25万円、11月以降は税別45万円。

 タンパク質は、細胞の性質や働きの解析に重要な役割を果たすため、製造技術が不可欠といい、大学や製薬会社、化学メーカーなどの研究開発に利用されている。県庁で会見したシルク社の伊東社長は「タンパク質の機能解析などの研究をサポートしながら、創薬なども目指していきたい」と話した。