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沖縄の新聞を「偏向」と糾弾 自民の参院選向け対策本「フェイク情報が蝕むニッポン」 よだれ垂らす枝野氏の絵も

2019年6月21日 04:50

 【東京】自民党本部が夏の参院選に向け、野党やメディアを批判する記事をまとめた「対策本」を国会議員らに配布している。政府が米軍普天間飛行場の代替施設建設として進める名護市辺野古沿岸の埋め立て工事を、地元紙が「新基地建設」と表現していることを「偏向」と断じるなど、沖縄に関する記述も並ぶ。専門家は「自身の主張と異なるものを全否定する態度」と指摘している。

■執筆者や運営は不明

 編集・発行は「テラスプレス」。インターネットサイト「terracePRESS」に掲載された記事を加筆修正してまとめたとするが、執筆者やサイトの運営母体は不明。党関係者によると、冊子は発行元から提供を受け、党は制作に関わっていないという。

 本紙の社説も取り上げ「普天間飛行場の移設を『新基地建設』などと書く偏向ぶり」と糾弾した。

 ただ「新基地建設」は県内の新聞・テレビなど複数のマスコミが使うほか、県も正式に使っている用語。強襲揚陸艦の接岸も可能な護岸や弾薬庫など、現在の普天間飛行場にはない機能を備えるためだ。

■自民議員からも疑問の声

 辺野古を絡めた野党批判もある。反対運動に「過激派」が入り込んでいるとし、立憲民主党の枝野幸男代表を「革マル派活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており、革マル派に近いといわれている」と表現。根拠を示さず伝聞調でJR総連や枝野氏を革マル派と印象付け、よだれを垂らす枝野氏のイラストを添えた。

 こうした内容に、自民国会議員からも「ひいきの引き倒しもいいところ」「品を欠く」といった疑問の声が漏れている。

 専修大学の山田健太教授(言論法)は「自身の主張と異なる考えを全否定する態度は、政権党として残念」と批判。「自らへの批判を偏向報道と決めつける姿勢は、批判報道をフェイクニュースと非難し、社会の対立を煽(あお)り分断を深める米国の状況も想起させる。批判を謙虚に受け止め政策に生かす、本来の政党の在り方を取り戻すことを期待する」と指摘した。

 冊子は「フェイク情報が蝕(むしば)むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」のタイトルで、A5判142ページ。「トンデモ野党のご乱心」「フェイクこそが本流のメディア」「安倍政権の真実は?」の3章で構成されている。

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