沖縄県名護市から同市三原区に交付された補助金の使い道に疑義があるなどとして、市に問い合わせていた区民男性との通話記録のメモを、市が無断で区側に渡していたことが21日分かった。市は同日、「適正な手続きを経ていなかった。個人の名前を出してしまったことをおわびしたい」と男性に謝罪した。

名護市庁舎

 市がメモを提供したのは2017年12月。男性が市に電話した回数などを区長から尋ねられた職員が、作成したメモを参考資料として渡したという。区によると、メモは区の行政委員会議で参考資料として配布された。

 メモの内容は、男性が職員と電話でやりとりした複数回の通話記録。名前を黒塗りにするなどの対策は取られていなかった。男性の妻との通話についても、「○○氏妻」と書かれ、事実上特定される形になっていた。

 市地域政策部の平得薫参事ら職員3人は同日、市役所久志支所で男性との話し合いの場を設け、経緯を説明して謝罪した。

 沖縄タイムスの取材に対し、市は「本来なら開示手続きなどを取るべきだったが、課内で判断してしまった」と話した。

 男性が市に問い合わせたのは、市が市内自治会などの地域おこしを支援する「ちばる地域提案事業」の補助金。男性は「補助金の使われ方に疑問があった。市はしっかり調べるべきだ」と批判した。

 男性と妻は近く区外に転居する予定という。

プライバシー侵害も問題

 三宅俊司弁護士の話 公的手続きを取らなかったことと、プライバシー侵害という二つの点から問題がある。

 特に開示に当たっては、プライバシーについて慎重に対応しなければならない。

 今回の情報は公務員がその地位に基づき知り得た情報であり、目的に反して使用したのであれば極めて不当。提供者が何の目的で開示したのかきちんと検証すべきだ。