沖縄の青い空に赤い瓦屋根。国指定重要文化財の津嘉山酒造所(名護市大中)で初の結婚式が15日執り行われた。式を挙げたのは、数久田区出身の比嘉啓太さん(33)と大阪府泉佐野出身の胤美(つぐみ)さん(22)=旧姓山城。琉装のクロチョウハチマチと紅型衣装に身を包んだ2人を、関係者およそ70人が祝福した。

「仕次」で手を取り合い泡盛を注ぐ比嘉啓太さん(右)と胤美さん=15日、名護市・津嘉山酒造所

 2人が知り合ったのは大阪の看護学校時代。啓太さんは「優しくてかわいい」、胤美さんは「毛むくじゃらだが包容力がある」が互いの第一印象だったという。

 昨年、酒造所で挙式できることを知り、市文化財保存調査委員に相談して式のやり方を決めた。式ではケーキカットの代わりに、泡盛を古酒にする「仕次」の儀式も行われた。

 啓太さんは5人きょうだいの1番上、胤美さんは妹と2人姉妹。式には県内外から親戚が多数駆け付けた。

 幕開けで2人による「かぎやで風」。乾杯の音頭で数久田区の比嘉幹和区長は「野村流古典音楽師範の啓太さんは20代前半から数久田の豊年祭の地謡。胤美さんは昨年の豊年祭で『仲里節』を踊った。沖縄文化を大切にする2人の門出は素晴らしい」と祝福した。

 43度の泡盛を入れ3年古酒にする「仕次」では、夫婦手を取り合い、愛の熟成も誓いながら注いだ。

 胤美さんの中学の同級生の伊勢沙季さん(21)と西森愛さん(21)は「中学の吹奏楽部で一緒だった。琉球音楽の文化の中で結婚式を挙げたのには感動」と笑顔で話した。啓太さんの古典音楽の同僚で宮里区の比嘉啓福さん(86)は「どちらも琉装が似合っている。本当に上等だ」と目を細めた。

 お開きに「打組加那よー」を披露した後、2人は「今日まで私たちを支えてくださった多くの方に深く感謝します」とお礼を述べた。(玉城学通信員)