23日に開館30年を迎える沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館で来館者の感想文を収めた文集が毎年1回発刊され、ことしで30冊を数える。日本国内だけでなく、海外の来館者も含め、掲載された感想は8889編に上る。その中には県出身デュオKiroroのボーカル、玉城千春さん(42)の感想文も収められていた。(社会部・新垣玲央)

ひめゆり平和祈念資料館への思いを語ったKiroro(キロロ)の玉城千春さん

1989年6月23日の開館時からの来館者の感想文を収めた、ひめゆり平和祈念資料館発刊の感想文集「ひめゆり」

ひめゆり平和祈念資料館への思いを語ったKiroro(キロロ)の玉城千春さん 1989年6月23日の開館時からの来館者の感想文を収めた、ひめゆり平和祈念資料館発刊の感想文集「ひめゆり」

■ひめゆり平和祈念資料館の感想8889編に

 当時18歳で、読谷高校の3年生だった玉城さんは、〈自分逹がもし、あの頃に生まれていたら…〉などと元学徒たちの戦争体験に同世代の自分の姿を重ね、〈きょうのこの涙を刻んで二度と戦争はおこさないようにします〉と平和への誓いをつづっている。

 玉城さんは取材の中で、元ひめゆり学徒を含むすべての沖縄戦体験者に対し「皆さんが今生きている。語り継いでる。それが平和の象徴」とメッセージを寄せ、「私も親として、しっかり語り継いでいきたい。戦争で失ったたくさんの命のためにも」と改めて誓った。

 感想文は、初めて資料館を訪問した1995年夏ごろのもの。

 同じ10代だった元学徒の証言に触れた感想を〈これほどまでに、ひさんな物とは知らずにいました。ここへきてみて自分がタイムスリップした気分で、すごくこわい〉と率直な思いを記し、〈いろんな国の人とたくさん交流して戦争のおそろしさ、平和の大切さを理解し合えたら〉と続けた。

 玉城さんは「時間が無い中で慌てて書いたのを覚えている。なんて子どもっぽい文章だろう。小学生から今もそうですが、気持ち先行で変わってないな」とはにかみ、「言葉にすればするほど悲しくなった。だから、これからどうするか。あの頃私は最後に書いたんだと思う」と振り返った。

 音楽活動の中で命の大切さや平和への思いなどを歌に込めてきた玉城さん。取材を機に、改めてひめゆりの塔へ献花し、資料館を訪れこう感じたという。「これがそう、と言える事はありませんが、(歌に)つながっていると思います」

■沖縄は祈りに包まれる日

 23日は「慰霊の日」。多数の住民を巻き込み、苛烈な地上戦となった沖縄戦の組織的戦闘が終わり、74年を迎えた。県内各地で20万人超の犠牲者を悼む催しが営まれ、恒久平和を誓う。