高校3年生の時に初めて訪れた糸満市のひめゆり平和祈念資料館で、反戦平和への誓いを感想文につづったKiroroのボーカル玉城千春さん(42)に、当時の心境などを聞いた。(聞き手=社会部・新垣玲央)

「感想文集 ひめゆり」第7号に収められた玉城千春さんの文章

 -いま、当時の感想文を読んで。

 「元学徒の言葉は沖縄戦を必死に生き延びた生の声。その言葉たちをそこで知り、とても胸が苦しく、絶対に戦争をしてはいけないと、この感想文で自分に誓いを立てたのだと思う」

 「小さな誓い、想(おも)いですが、沖縄、日本、世界の方々と戦争ではなく、平和な交流を広げるために何かできたらと、考える種をもらったんだろうな。それが歌。歌はどこでも歌える。言葉も越える。自由。あの頃の私からメッセージが届いたんだ、と思いました」

 -資料館で感じたこと。生き方や考え方に影響は。

 「夢を描いて入った、楽しいはずの学校。どんな未来になるだろうと、心弾ませる女学生たちの仲間、すべてを悲劇へと向かわせたのは、戦争。自分たちではどうする事もできない。いろんな恐怖や憎しみ、悲しみを味わってしまった」

 「生き残る事さえも、生き残ってしまったと、生きている事が後ろめたいと、そんな風に思わせてはいけない。生き残ってくれたからこそ語り継いでほしい。戦争は本当にすべてを奪うもの、戦争を起こしてはいけないと。平和を願う事がどれだけ儚(はかな)い日があったかと。言葉にすればするほど悲しくなった」

 「(資料館内に並んでいる)写真の彼女たちが、『今、そこは幸せ?』『今、あなたは幸せ?』『今、そこは平和?』『今、学校楽しい?』って、いろいろ聞いている気がしました」

 「今もそうですが、戦争のモノクロ写真を見ると聞こえてくる。それを歌詞にしてるし、後悔のないように生きていこうと思うので、きっと生き方、考え方に影響しているんだろうな」

 -ひめゆり資料館とは。

 「戦争を体験していない私たちにとって戦争を自分の体験のように感じ、考える事ができる場所。今の生活、不自由なく暮らせる事が、あの頃は当たり前ではない、絶対に戦争はいけないと、平和の願いを誓う事ができた場所。亡くなった方々の命の重さ、生き残って証言を残す方々の想いを多くの人に知ってほしい」