八重山勢対決となった八重山と八重山農林。試合後、互いの健闘をたたえ合う両校の選手=1日、北谷球場

 「悔いの無いよう、楽しんで試合に臨んでほしい」―。開幕から雨で試合ができず、競技開始が1週間延びた「全国高校野球選手権沖縄大会」。開会式だけ出席して島に戻り、交通費負担が増えた離島7校の野球部に、見知らぬ人から寄付と手紙が届いた。送り主は福島県在住の男性。振替日となった1日、7校の球児たちは感謝を胸に初戦へ臨んだ。

■各校に10万円ずつ

 寄付が届いたのは宮古、宮古工業、宮古総実、八重山、八重山農林、八重山商工、久米島の7校。現金書留で各校に10万円ずつ入っていた。

 消印は6月25日付。同封された手紙には、雨天順延で交通費の負担が増した新聞記事をインターネットで見つけたことや、応援のメッセージがつづられた。

初めてお便りを差し上げます。

 早速ですが、先日、ネットニュースにて、沖縄県の高校野球夏の大会が雨天にて順延となり、離島の高校で交通費が負担となっている旨の記事を見ました。

 高校生の皆さんには日頃の努力を遺憾なく発揮していただきたいと思い、少額ではありますがご活用いただきたく、お送りいたします。

 チームの皆さんには、悔いのないよう、そして何より楽しんで、試合に臨んでいただければと思います。

 一層のご活躍を祈念いたしております。

 取り急ぎ用件まで。
 
拝 具


 令和元年六月二十五日
 
 


宮古高等学校 野球部一同

■感謝の気持ちでプレー

 八商工の上原拓監督は「驚いた」。本島に来る度に1人当たり約2万8千円の遠征費が掛かる。順延で今回は同約4~5万円まで膨らんだ。「ただただありがたいということだけ。部員から色紙にお礼のメッセージを書いて送りたい」と感謝しきりだ。

 3月まで県高野連の副理事長を務めた宮古工の前川等監督は「これまでに無いこと」と驚きを隠さない。チームは1点差で敗れてしまったが、荷川取麟汰主将は「勝って恩返しができなくて悔しいけど、ありがとうと言いたい」と話す。

 26日に寄付を受けとった宮古の豊原啓人監督は、練習後のミーティングで選手に報告。佐渡山大空主将は「直接会ったこともないのに、応援してくれる人がいる。感謝の気持ちでプレーをしよう」と初戦に臨み、2回戦に進んだ。「寄付を送ってくれた人の気持ちも背負い、どんどん上位を目指す」と力を込めた。