主催者発表で200万人近くが参加したデモ。若者の姿が目立つ=6月16日、香港(普久原朝日さん撮影)
香港でのデモ参加者が亡くなった場所で献花する男性=6月17日(普久原朝日さん撮影)

 「辺野古」県民投票の会メンバーとして活動した写真家の普久原朝日さん(24)=那覇市=は6月、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡り市民らのデモが起きている香港を訪れた。県民投票で示された民意を無視して日本政府が新基地建設を強行する沖縄と「民意を国家の力で押さえ付ける香港の状況が似ている」と思ったからだ。(社会部・伊集竜太郎)

 普久原さんは香港の現状をツイッターで知り「大変なことが起きているとチムワサワサした」。県民投票の会関係者らが東京で市民側の支援集会を開いたり、現地を取材して警察に催涙ガスをまかれたりしている状況をSNSで見た。居ても立ってもいられず6月15日、急きょ現地入りした。

 翌16日は主催者発表で200万人近くが参加したデモを見た。東京で働きながら休暇を取って参加したという香港の同年代の女性と出会った。笑顔で話していたが、手元が震えていることに気付いた。

 目の前ではデモ隊と警察が衝突している。普久原さんは大学生時代、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で抗議行動に加わり、機動隊に囲まれた時の威圧感と恐怖心を思い出した。この女性も「当時の自分と同じ気持ちなのかもしれない」と思った。

 仕事帰りに参加した人もいて、10~20代とみられる若者が多いのが印象的だった。「日本だと同様な活動に参加したらネット上で『活動家』とレッテルを貼られる。香港は政治が身近にあり、自分たちの将来を考え、意思表示するのは当たり前のことなんだ」

 滞在した23日までに撮影した写真は約6千枚。ツイッターでの動画再生回数は2万8千回以上だった。

 民衆が動いて海外のメディアも報じた。香港政府トップは18日、改正案を事実上撤回した。普久原さんは「沖縄でも声を上げ続けることが大事だ。一人のウチナーンチュとして行動していきたい」と話した。

香港のデモなど撮影した普久原朝日さん