社説

社説[参院選きょう公示]沖縄の未来 堂々と競え

2019年7月4日 08:00

 参院選がきょう公示される。

 沖縄選挙区は、自民公認で公明、維新が推薦するシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)と、無所属で「オール沖縄」勢力が推す琉球大学名誉教授の高良鉄美氏(65)による一騎打ちとなる見通しだ。

 参院議員を3期務めた糸数慶子氏の後継である高良氏が勝利すれば、昨年の知事選以降続く「オール沖縄」の勢いは堅持され、玉城デニー県政の政治基盤は安定する。

 一方、安里氏が議席奪取に成功すれば、この流れに少なからず変化が生じ、来年の県議選など今後の政治情勢に影響を与えることになるだろう。

 安里氏は経済界出身で日本青年会議所会頭や沖縄観光コンベンションビューロー会長などを務めた経歴がある。高良氏は琉大で35年間、憲法や行政法を研究してきた学者だ。

 それぞれが挙げる争点は基地と振興策。だが対立軸は必ずしも明確ではない。

 名護市辺野古の新基地建設問題を最大の争点と位置付ける高良氏は、県民投票で反対の民意が示されたにもかかわらず工事を強行する安倍政権を批判し、「建設断念」を訴える。ただ主張をどう具体化していくかの道筋は示せていない。

 他方、安里氏は新基地建設に関して賛否の明言を避けている。県民投票の民意も埋め立てが進む現実も重いという言い方は分かりづらく、有権者に判断材料を提供してほしい。

    ■    ■

 ポスト復帰50年の振興の在り方は、沖縄の未来につながる課題だ。

 2022年から先の沖縄振興が最大の争点という安里氏は「県民の思いが詰まった新たな沖振法・振興計画策定検討委員会設置」を公約に盛り込む。

 高良氏は「新たな振興計画の策定により離島振興、観光、地場産業などの発展に取り組む」とする。

 半世紀にわたる沖縄振興の功罪を振り返る時期であり、次の時代にふさわしい構想を、県民に分かりやすい言葉で語る必要がある。

 論点はまだある。景気の後退が懸念される中、沖縄でも全国同様、消費税率引き上げの是非、老後の生活を支える年金、経済格差の問題が重要な争点として浮上してきた。

 暮らしの課題に対するビジョンも見極めたい。

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 参院選は今回から定数3増となり124議席(選挙区74、比例50)を争う。

 公示に先立ち開かれた党首討論会で安倍晋三首相は、憲法9条への自衛隊明記に改めて意欲を示した。

 野党からは「生活防衛」など国民の暮らしを重視する発言が目立った。

 安倍政権下で憲法改正に前向きな「改憲勢力」が引き続き3分の2以上の議席を維持するのか、それを阻止することができるのか。

 憲法改正か暮らしか、今優先すべき施策は何かを問う選挙でもある。

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