光タクシー(浦添市)曙営業所の夜勤運転手、元(もと)俊晶さん(48)が6月上旬、浦添市の海岸近くで降ろした乗客の思い詰めた様子に「自殺するかもしれない」と判断し、110番通報した。駆け付けた警察官2人が海に飛び込み、胸までつかっていた30代の女性を間一髪で救助。浦添署から表彰された元さんは「本人に何があったのか分からないが、立ち直って元気になってほしい」と願っている。(社会部・城間陽介)

瑞慶山力署長(右)から感謝状が贈られたタクシー運転手の元俊晶さん(中央)=6月26日、浦添署

 女性は午後8時半ごろ、那覇市内で乗車し、行き先をショッピングセンターからドラッグストア、那覇空港と次々と変え、最後に「川か湖が見たい」と頼んだ。浦添西海岸道路の高架橋を走行するタクシーの車窓からから北谷町美浜エリアの夜景を眺めていたという。「運転手さん、こんなにきれいな夜景を見せてくれてありがとう」と橋の上で降ろすよう求める言葉に、元さんは「身投げするかもしれない」と、とっさの判断で橋を通り過ぎた。

 元さんは、しばらく走ったところで降ろした女性がはだしで駆けていることをバックミラーで見つけ、「客が身投げをしそうだ」と110番通報した。

 ちょうどパトカーで通りかかった警察官が飛び込み、すでに胸まで海水に浸り、さらに沖合へ向かう女性を1時間近くかけて引き上げた。後日、警察を通じて女性の両親から感謝の電話があったという。

 夜勤歴18年目で初めての経験だったという元さん。「命が助かって良かった」と話している。