社説

社説[2019参院選 辺野古新基地]十分な政策論争展開を

2019年7月5日 07:51

 参院選が4日、公示された。

 沖縄選挙区は、いずれも新人で、自民公認でシンバホールディングス前会長の安里繁信氏(49)=公明・維新推薦、無所属で「オール沖縄」勢力が推す琉球大学名誉教授の高良鉄美氏(65)、福祉施設非常勤職員の磯山秀夫氏(72)、辺野古商工会理事の玉利朝輝氏(60)が立候補を届け出た。

 安里氏、高良氏による事実上の一騎打ちとなる見通しだが、名護市辺野古の新基地建設賛成を掲げる玉利氏の出馬により、「新基地建設をどう判断するか」があらためて問われる選挙になりそうだ。

 辺野古出身の玉利氏は「辺野古の発展、区民の生活、北部の振興がなかなか前に進まない」として、「地域振興のため、基地の早期完成を望む」と訴える。

 高良氏は最大の争点に新基地建設の阻止を掲げる。安倍政権は沖縄の新基地建設反対の民意を無視して工事を進めていると批判する。

 安里氏は沖縄振興策を最大の争点とし、辺野古新基地建設に関しては県民投票で民意は示されたとしつつ、賛否は明言していない。

 自民党は参院選の公約で「普天間飛行場の辺野古移設を着実に進める」と明記している。自民県連も「辺野古容認」の立場を崩していない。

 玉利氏は立候補の理由を「政権や政治家が変わっても辺野古の暮らしに変化がない」とする。辺野古容認派の一定の受け皿になる可能性はある。

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 米軍普天間飛行場の「県外移設」を主張して選挙を勝ち抜いた沖縄関係の自民党国会議員が、辺野古移設を容認したのは2013年のことだ。当時の石破茂幹事長との会談で、「普天間の危険性を除去するすべての可能性を排除しない」として、容認に転じ、公約を撤回した。

 それに続く形で、自民県連も同年、10年から主張していた「県外移設」の方針を転換した。

 昨年の名護市長選、知事選では自民党が推す候補は辺野古問題には言及しない、あいまいな戦術を展開してきた。

 だが、新基地建設が争点となった知事選では、辺野古問題を封印したことが有権者の不信を買ったという反省を踏まえ、ことし4月の衆院3区補選では辺野古容認を明確にした経緯がある。

 今参院選ではふたたび賛否には触れず、有権者には分かりづらい構図である。 

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 ことし2月に行われた辺野古新基地建設の埋め立て賛否を問う県民投票では、投票者数の7割超が「埋め立て反対」の意思を示した。しかし、安倍政権下で、工事は進められている。

 辺野古の新基地建設は沖縄の将来に大きな影響を及ぼす問題だ。

 各候補者には、有権者に分かりやすい言葉で、より具体的に政策を説明することが求められる。

 責任ある未来像を示せるかが問われる。21日の投開票まで、十分な政策論争を展開してほしい。

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