結婚・出産に対する意識調査について

  厚生労働省がまとめた、人口動態統計(概数)によると2018年の婚姻数は58万6438組(2万428組減)と6年連続で減少し戦後最小だった。
 また、50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合を示す「50歳時未婚率」の上昇も続いている。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、15年の生涯未婚率は男性23・37%、女性14・06%。10年の前回調査より男女とも3ポイント以上増え、過去最高を更新した。
 少子化の進行に合わせて、結婚を考える男女の数が減少していることが大きな要因となっている一方で、賃金の格差や長時間労働など経済的な理由を背景に、結婚に対して二の足を踏む傾向が増えつつある。
 また、時代の流れと共に男女の結婚に対する考え方の変化も晩婚化や未婚化に影響を与えている。
 結果的に少子化の流れを止めることができず、18年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は統計開始以来、最少となる91万8397人(前年比2万7668人減)となり、3年連続で100万人を割り込んでいる。

結婚すべきか?

  厚労省のまとめによると、2018年の初婚の平均年齢は夫31・1歳、妻29・4歳と14年以降変わっていない。また、18歳から34歳までの未婚の男女に実施した別の調査(2015年)では「いずれ結婚するつもり」と答えた割合は、男性85.7%、女性89.3%となっており、ここ30年間を見ても若干の低下はあるものの、男女ともに依然として高い水準を維持している。
 1年以内に結婚の意思がある男女の割合は、20歳代前半よりも20歳代後半、30~34歳にかけて高くなる傾向にあり、男性よりも女性のほうが結婚に対しての意識は高い。
 また、「どのような状況になれば結婚すると思うか」との問いに対して「経済的に余裕ができること」が42.4%と最も高く、次いで「異性と知り合う(出会う)機会があること」が36.1%となっており。
 ただ、結婚できない理由に「適当な異性と巡り会わない」と答えた人を対象に「具体的な行動を起こしたか」と聞いたところ全体の6割が「特に何も行動を起こしていない」と回答。さらにその割合は女性よりも男性が高い傾向にあった。また、独身でいる理由に「異性とうまくつきあえない」と回答する割合は年々増加しており、男女とも20歳代前半(男性12.8%、女性7.6%)よりも、25~34歳(男性14.3%、女性15.8%)の方が高くなっていた。

子どもを持つべきか?

 国立社会保障・人口問題研究所が2015年に初婚の夫婦を対象に調査した理想的な子どもの数(理想子ども数)の平均値は、10年の前回調査より0.1人低下し、これまででもっとも低い2.32人となった。夫婦が実際に持つつもりの子どもの数(予定子ども数)の平均値も前回調査に引き続き低下し、2.01人と過去最低となった。一方で予定子ども数を「0人」と回答した割合は5.2%(1.1ポイント増)と微増傾向にある。
 夫婦の予定子ども数が理想子ども数を下回る理由としてもっとも多いのは、依然として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」(56.3%)であり、とくに妻の年齢35歳未満の若い層では8割前後の高い選択率となっている。
 ただ、「自分の仕事に差し支える」、と回答した割合は15.2%(1.6ポイント減)と減少傾向にあり、子育てに寛容な社会形成が進展しつつあることがうかがえる。
一方で晩婚化が進む中、子どもを持ちたくても年齢や身体的な理由、生まれてくる子どもの将来を案じ、理想の子ども数を望まないケースも増えている。中でも「欲しいけれどもできないから」と回答した割合は全体で23.5%と初めて20%台を超えており、年代を重ねるごとにその傾向は高まっている。また、35歳未満は「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という理由で多くの子どもを望まない傾向となっている。

結婚・出産意識調査まとめ

 「結婚したい」という意志は以前と比べて男女とも大きな変化はないものの、経済的な理由や適当な結婚相手に巡り会えないという理由などで、結婚に対して後ろ向きの考えをもつ人たちが増えている。また、結婚の意思はあるもののパートナーを探すための行動が伴っていない現状もある。
 出産に関しても、子どもは欲しいが経済的な不安を抱え、理想とする子ども数を産むことができなかったり、晩婚化に伴い年齢や身体的な理由で出産を諦めたりするケースが増えている。ただ、子育てに寛容な社会形成が進展を見せる中、仕事を理由に出産を諦めるケースが減少している現状もある。

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婚活について

 婚活とは、結婚相手を積極的に探し求める活動を指しており、2008年ごろから週刊誌で取り上げられたことをきっかけに広く認知されだした。親同士が結婚相手を紹介する「お見合い」が主流だった1980年代以前と比べ、自分自身が好意を抱く他者と付き合う「自由恋愛」が進み、婚約者を選ぶ自由が増えていった。ただ、恋愛の自由化に伴い「別れる自由」や「すぐに結婚しない自由」も選択できるようになったことや、恋愛に対して意欲的でなくなったことなどもあり晩婚化が進行。より積極的な出合いを求める「婚活」への注目が集まるようになった。
 婚活はさまざまな形態で定着している。繁華街や商店街で飲食を楽しみながら合コンを楽しむ「街コン」や、専用のアプリケーションを使って出合うきっかけをつくる「マッチングアプリ(SNS)」を活用し婚活をするケースなどもある。
 少子化や、晩婚化、人口流出対策として、自治体が婚活イベントを開くケースもある。人口約1600人の沖縄県東村では村内の男性の未婚率が、20代が約9割、30代は約5割と高いため、2015年ごろから婚活イベントを開催。村が婚活事業の補助金を拠出し、村商工会が企画した。実際に結婚につながった事例もあった。
 ただ、婚活が長期化し出合いに対して意欲を失う「婚活疲れ」も出てきている。マイナビウーマンによると、婚活経験ある女性の約7割が「婚活に疲れたことがある」と回答。理由としては「何度も初対面の男性と向き合うこと」や、「好みじゃない男性に好かれた」、「印象を良くするために笑顔を作り続けること」など思うようにいかない婚活に対して嫌気がさしてしまうこともしばしばあるという。

婚活の在り方はどう変わった?

 「お見合い」が主流だった時代から、自由恋愛が許容される時代へと変わっていくなかで、結婚のための「出合いの場」として婚活が注目されるようになった。国や自治体も、少子化や晩婚化対策として推奨し、地域振興にもつながっている。また、婚活の形態もお見合いパーティーや街コン、マッチングアプリ(SNS)の活用など多岐にわたる。ただ、出合いの場や選択肢が増えたことで、理想のパートナー像を追及するあまり、婚活に対して「疲れた」と感じる人が多いのも実情だ。

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晩婚化の実態は?平均結婚年齢推移について

 厚労省のまとめによると、2018年の初婚の平均年齢は夫31・1歳、妻29・4歳だった。一方で、1998年は夫28.6歳、妻26.7歳と、初婚の平均年齢が20年間で夫が2.5歳、妻が2.7歳と上昇し、明らかに晩婚化が進行している。
 大きな要因は時代の流れと共に男女の結婚に対する考え方の変化や、社会情勢の変化などが晩婚化や未婚化に影響を与えている。
男女共同参画への考え方が定着し、女性の社会進出や活躍しやすい環境が整えられていく中で、女性自ら経済的に自立できる環境が整ってきたことも晩婚化の原因となっている。そのためこれまでの「生活のための結婚」という考え方が薄れてきている。
 一方で、男性は「草食系男子」に代表されるように、婚活にも異性にも消極的な考え方が増えている。また、女性と同様に経済的に自立し独身を謳歌(おうか)する「あえて結婚しない(AK)男子」も広がりをみせている。
 ただ、近年の傾向としては必要な結婚支援策に20~30代の未婚者は男女とも給料アップや雇用安定を求める声が高く、特に女性は「夫婦共働きができる職場環境の充実」を課題とする声が上がっている。そのため経済的な不安が結婚のハードルとなっていると言われている。
 晩婚化・未婚化の対策として、国や自治体もお見合いパーティーや街コンなど「婚活」を推奨している。他にも、企業への長時間労働の抑制や非正規雇用者の正社員化、賃金アップなど「働き方改革」を求め、結婚しやすい環境・安定した家庭を築ける環境の整備に乗り出している。

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少子化の実態

 女性1人が生涯に産む子どもの推定人数を示す2018年の合計特殊出生率は1・42と最低だった2005年の1.26人と比べ一定上昇はしたものの、1947年の4.54と比べるとその差は歴然となっている。
出生率は都市部に比べ地方の方が高い傾向にあり、沖縄県の1.89が最も高く、次いで島根県の1.74、宮崎県の1.72となっており、最下位は東京都の1.20だった。子育て世代の親や親戚が近くにいることで子育てを共有できる環境があるため、安心して子どもを出産できるとみられている。
 少子化の原因としては晩婚化に伴い、第1子の平均出産年齢が高まっていることが挙げられる。18年の第1子平均出産年齢は30.7歳だった。また、2人目、3人目を出産したくても、身体的な理由で諦める家庭も多い。また経済的な余裕がないことや、子どもたちに十分な教育を受けさせることができないなどの理由も要因となっている。
国は幼児教育・保育無償化を推進するなど、少子化対策に取り組んでいる。また、企業も託児所を設置や、時短勤務の導入、自宅でも仕事ができるテレワークの推奨など、育児をしながら働ける環境を整える動きが進んでいる。

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まとめ

国内の結婚事情は女性の社会進出や経済的に余裕がないことなどから、晩婚化・未婚化が進んでいる。その結果、第1子の平均出産年齢も上がり、2人目、3人目を望めない家庭が増え少子化も進行している。少子化対策の一環として国や自治体がお見合いや街コンなど「婚活」を推進する取り組みが広がっている。ただ、経済的なゆとりがない中で結婚を望まない男女が多いのも実情だ。また、恋愛の自由化が進み選択肢が増えた一方で、出合い別れも増え、恋愛に対して消極的になっていることも結婚につながらない要因のひとつとなっている。