台湾では台湾東部の沖で発生する地震が多く、その場合の被害は比較的少ない。直下型の場合は大きな被害が生じることがあり、20世紀に観測された91回の大規模な地震では48回で死者が出た。

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花蓮地震(2018年2月)

直近で発生した大規模な地震は、台湾東部の花蓮の近海を震源に2018年2月6日午後11時50分に発生した「花蓮地震」がある。マグニチュードは6・2で最大震度は花蓮市などで震度7を計測。台湾に近い沖縄県では震度1~2の揺れが観測された。花蓮市内ではマーシャルホテル(総帥大飯店)や12階建てのビルなどが倒壊する被害が発生した。

日本政府は安倍晋三首相が手書きで応援のメッセージを送り、動画でも台湾を激励した。首相はフェイスブックで弔意を表し、被災者への「台湾加油」とのメッセージを書く様子を動画で伝えた。

安倍首相のメッセージ

「台湾東部で発生した大きな地震により、亡くなられた方々への御冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。東日本大震災では、古くからの友人である台湾の皆さんから、本当に心温まる支援を頂きました。決して忘れることはありません。そして、この、大切な友人の困難に際して、日本として、出来る限りの支援を行っていく考えです。現地では、夜を徹して、行方不明者の懸命な捜索・救助活動が行われています。日本政府として、すでに警察や消防などからなる専門家チームを派遣したところであり、全力を尽くして支援を行ってまいります」との内容だった。

台湾の蔡英文総統はツイッターで「安倍首相からのお見舞いは、まさかの時の友は真の友、まさにその通りです。このような困難な時の人道救助は正に台日双方の友情と価値観を体現するものだと思います。本日、日本から7名の専門家が人命探査装置を持って訪台して頂きました。これにより、更に多くの被災者の救出に繋がることを望みます」と感謝のメッセージを送った。

台湾地震への日本の支援

日本は外国として唯一国際緊急援助隊の専門家チームを現地に派遣した。シンガポールは軍の輸送機で医薬品、テントなどの緊急物資を輸送した、中国政府は救援を申し出たが、台湾政府は日本以外の救援は受け入れないとし、中国では「政治的な判断だ」との批判的な報道がなされた。台湾政府によると63カ国と欧州連合、東カリブ諸国機構、中央アメリカ議会、中米統合機構から慰問の意が寄せられた。

台湾との交流の深い沖縄県内では支援の動きが地震直後から広がった。那覇市久茂地にある台北駐日経済文化代表処那覇分処(蘇啓誠処長)には地震発生2日後の8日、個人や団体から義援金の持ち込みや問い合わせが相次いだ。沖縄県内に住む台湾出身者でつくる「琉球華僑総会」は地震発生後すぐ、会員約350人に義援金を送ろうと呼び掛け、8日までに30万円集まった。花蓮市と姉妹提携を結んでいる与那国町は義援金を募って台湾に送るため、町役場に募金箱を設置し、町民に協力を求めた。また石垣市も義援金を送るために市役所内や市立図書館に募金箱を設置し、市民に協力を求めた。

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台南地震(2016年2月)

2016年2月6日午前3時57分には台湾南部の高雄市を震央に、マグニチュード6・6の地震が発生。発生した場所や被害が多い地域が台湾南部だったため「台湾南部地震」「台南地震」「206大地震」などと呼ばれる。死者数は117人と大きな被害をもたらした。

台南地震への日本の支援

日本では安倍晋三首相が台湾に対し「亡くなられた方々へのご冥福を心からお祈りするとともに、被害に遭われた方に対し、心から御見舞申し上げます。この困難な時に日本は台湾に必要な支援を何でも供与する用意があります」とのメッセージを送り、救助や災害復興のため100万ドル(約1億2000万円)を台湾赤十字社に支援した。地震発生の翌日には外務省、警察庁、東京消防庁、海上保安庁、国際協力機構(JICA)の職員5人を台湾に派遣した。

台南地震への海外の支援

日本以外の外国では、中国が震災当日に慰問の意を表明し、中国紅十字会は中華民国紅十字会に200万人民元の義援金を送付し、救援隊や救援物資を用意した。香港政府は犠牲者に哀悼の意を表明し、マカオも必要に応じた支援を表明。シンガポールも首相が救援活動への協力を表明し、アメリカは哀悼の意を表明した。韓国は復興のための支援金として10万ドルを台湾に寄付すると表明した。

多くの被害が出たため、台湾との交流が深い沖縄からは県人の被害を心配する声が多く上がった。発生当時、沖縄・台湾交流振興会の平田久雄会長の下には台湾からの県人被害報告はなかったが、旧正月前で官公庁や企業が仕事納めに入っていることから「情報が錯綜(さくそう)している。大変な状況であることは間違いないが、詳細はよく分かっていない」と情報収集に奔走。八重山には台湾出身者やその子弟も多く住むため、八重山台湾親善交流協会の石垣久雄会長は「台湾の高校生が石垣を訪れて芸能交流する予定がある。台湾の被害をニュースで見たが、みんな無事であってほしい」無事を祈った。沖縄県台北事務所は「高雄の友人の安否を確認したところ無事だった。今のところ県人関係の被害情報などはない」としていた。

台湾大地震(1999年9月21日)

1999年9月21日の大地震では2415人が死亡する20世紀に台湾で起きた地震で最大の被害を出した。「921大地震」、「台湾大地震」、「集集大地震」、「台湾中部大地震」、「921集集大地震」などと呼ばれる。台湾全域で揺れが感じられ、最大震度は6だった。揺れは日本国内にも伝わり、沖縄の与那国町祖納と竹富町西表で震度2が観測された。被害が多かったのは震源となった南投県と台中県だが、震源から放れている台北市と台北県ではビルの倒壊で死傷者が多く出た。2415人の死者だけでなく、約1万1000人が負傷した。建物は全壊が約3万9000戸、半壊は4万5000戸余りで、建物や道路などの物的な損害は約3600億台湾元、日本円にして約1兆2000億
円に上った。

台湾大地震への日本や海外の支援

大地震が発生した直後、日本は国際消防救助隊が外国からの救助隊として最初に台湾入りした。救助に入った国と人数は日本145人、アメリカ93人、ロシア73人、スイス40人、シンガポール39人、トルコ36人、スペイン28人、ドイツ21人、韓国16人、オーストリア10人、タイ9人、メキシコ8人、イギリス6人、チェコ6人、オーストラリア5人、カナダ2人、国際連合6人だった。

 日本の民間ボランティア団体「神戸元気村」は1995年に発生した阪神淡路大震災の経験を生かし支援を行った。台湾現地の「台湾YMCA」と協力し、大きな被害がでた南投県埔里鎮に「埔里鎮元気村」を立ちあげた。派遣されたボランティアは現地で被災者を支援すると同時に、日本に留学している台湾出身者に復興に協力を依頼し、往復の航空券を提供するなどの取り組みに従事した。台湾政府は地震被害を教訓に防災や救助の重要さを国民が共有するため、台中市の市立光復中学校があった場所を地震記念博物館、「921地震教育園区」として整備。地震の被害を保存し、当時の様子を記録した。倒壊した校舎の一部や2・5メートルに隆起した校庭、地中の断面相が保存され、1年間で約80万人が見学に訪れた。同県の石岡ダムは10数メートルにわたって決壊し、2000年末までに修復されたが、壊れたコンクリートの堤を残したまま地震の記念公園が建設された。


 被災地の多くが山間部の農村地帯だったため、住民は厳しい生活を強いられた。地震で壊れた住宅を補助金と低利の融資で立て直した住民にとってローン返済は重荷となったため、博物館を含めた「地震観光」への期待も大きく、ガイド業の住民からは「全壊した家を建て直したが、700万台湾元(約2400万円)のローンは大変だが、地震の前より観光客が増えたのが救いだ」との声が上がっていた。
 台湾と交流の深い沖縄では子どもたちの相互ホームステイを通じた支援もみられた。宮古島市立下地中学校は1999年から宮古島に住む台湾出身者の人脈を生かして台湾の中学生と相互訪問を開始した。交流がスタートした後に発生した921地震の際は下地中学校の生徒会が中心となり見舞金を集めるため該当での募金活動が行われた。また、2003年に宮古島が台風14号で大きな被害を受けた際には、台湾の中学生が見舞金を送った。下地中学校は「台湾を訪問した学生は台湾だけでなく、英語圏を含めた異文化への関心が高まる」として交流の意義を語っている。

まとめ
2011年3月11日に日本で東日本大震災が発生した際、台湾の馬英九総統(当時)は「日本側の要請を受ければすぐに救援隊を出動させたい」と表明し、義援金として1億台湾ドル(約2億8000万円)を用意した。民間ではチャリティー番組「相信希望」と「日本の311地震に愛を送る夕べ」が放送され、8億9000万台湾ドル(約24億3000万円)があつまった。発生から10日後の3月21日までに義援金は15億台湾ドル(41億円)以上に達し、4月1日には100億円を突破。4月15日には150億円を超え、最終的には200億円を超える義援金が集まり、日本への支援として世界最多となった。

 台湾での直近の大型地震である2018年の花蓮大地震では日本で安倍首相がメッセージを送り外国で唯一、災害復興のための人員を派遣。インターネット上のSNSでは「加油(がんばれ)台湾」のハッシュタグで復興の支援を表明する投稿が激増した。日本と同様に地震の多い台湾は、「親日家」の国で知られているが、同じ島国としてたびたび直面する地震災害にの復興支援の面でも関係をより深めている。台湾に近い沖縄も歴史的、文化的なつながりが深く、台湾での地震、沖縄での台風でそれぞれ被害を受けた際に行政や政治、民間がそれぞれ相互支援を続けている。