【東京】安倍晋三首相は9日午前、ハンセン病元患者家族への差別に対する国の責任を認めた熊本地裁判決に関し、控訴しないと表明した。家族への賠償を初めて命じた熊本地裁判決が確定する。

「国は控訴断念せよ」と書かれた横断幕と「勝訴」の垂れ幕を掲げる弁護士や支援者ら=6月28日、熊本地裁前

 首相は同日、首相官邸で根本匠厚生労働相や山本貴司法相らと協議後、記者団に「筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族のご苦労をこれ以上長引かせるわけにはいかない」と述べた。

 熊本地裁判決は「違法な隔離政策で家族も差別され、生涯にわたって回復困難な被害を受けた」として、国に対し原告541人に計約3億7600万円を支払うよう命じた。

 原告は561人で、そのうち沖縄は最も多い250人。原告のうち20人の請求は棄却され、県内在住者は9人だった。

 原告側は国に控訴を断念するよう求めており、12日が控訴期限だった。