50円のノートを12冊買ったら、いくら払う? 答えは600円だが、算数のテストで「50円×12冊=600円」の式で解かないとバツを付ける教師もいる

▼1冊50円を12回足し算してもバツ、2冊で100円だから6を掛けてもバツ。教師がガチガチのマニュアル通りだと、学ぶ側は全く楽しくない

▼北部農林高校の元数学教師の大城榮秀さん(82)は、この事例を取り上げ「教師がプロセスまで決めれば発想力を殺す」と指摘。「幅広い視野の新しい発想」が人生のヒントになると説く

▼同校に勤務経験のある元教職員でつくる、その名も「ボラ会」が、結成45周年記念誌「翔」を発刊した。大城さんが寄せた前出の内容を含め、長年交流が続く執筆者43人が青少年に届けたい教訓や言葉をつづった

▼「ありがとうの数だけ賢くなり、ごめんなさいの数だけ優しくなり、さようならの数だけ愛を知る」。定時制課程の教師だった山城聡さん(54)=現八重山農林高校長=は、著名な映画監督の言葉を引用し、「他人を大切にする心を持つことが、結局は自分を大切にする」とエールを送る

▼会の名は教育論を熱く語り合い、自由闊達(かったつ)な雰囲気からいつの間にか付いた。教育への情熱と優しいまなざし、ちょっとしたユーモアから出る言葉には、道に迷った時、背中を押してくれる力がある。(吉川毅)