コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブンが、全国で唯一「空白県」となっている沖縄に、きょう14店舗を初出店する。セブンは5年で250店に広げる計画だ。沖縄ファミリーマート、ローソン沖縄との間に割って入る形で、県内のコンビニ競争は一気に激化する。 

 セブンは出店にあたり、100%出資の子会社を県内に設立し、弁当や総菜などをつくる独自工場を建設した。「中食」やスイーツはもともと定評があるが、今回、宮古島産の玄蕎麦(そば)を使用した「もりそば」や県産ニンジンを使った「じゅーしーごはん」など沖縄独自の13商品を開発し、アピールする。

 5年前から市場調査を重ね、オーナーが本部に支払うロイヤルティー(経営指導料)を物流費が高いことを考慮し本土より低く設定するなど周到な準備の上での進出だ。

 さらに、店舗を広げるだけでなく、アジアに向けた物流拠点として、税制面で優遇される経済特区を活用し、プライベートブランドを届ける戦略も描いている。

 セブンを迎え撃つ県内最大手で325店舗を展開する沖縄ファミリーマート、232店舗を持つローソン沖縄も昨年来、新商品開発やグループ企業との連携など独自の取り組みを加速。いずれも地元重視、県産品を活用する方向性を打ち出している。

 セブンの参入が、コンビニ間の商品開発やサービス競争を活発化させるだけでなく、地域経済の活性化につながることを期待したい。

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 セブンが沖縄進出を決めた背景には、人口増や外国人客を含めた観光客の増加で、全国でも数少ない成長市場との分析がある。

 ただ、先月の「サンエー浦添西海岸パルコシティ」(250店)のオープンに次ぐ出店で、人口に占める小売店舗数は、飽和感が出てきたとの指摘もある。 

 県内人口は2025年ごろをピークに減少するとされ、観光産業を巡る課題も少なくない。

 セブンは、本年度内に沖縄本島全域へ店を広げ、将来的には県内トップの出店数を目指すという。その影響はコンビニ業界だけでなく、過去最高の売り上げを更新してきた既存のスーパーなど小売業界全体に及ぶ。

 消費需要をどう取り込んでいくのか。いずれ限られたパイの奪い合いで、売り上げが減少する企業が出てくるのは避けられない。 

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 コンビニ業界は、慢性的な人手不足による24時間営業の見直しやドラッグストアなどとの競争で厳しい環境にある。すでに、一部の店舗では24時間営業の見直しが始まっており、県内でも従業員の負担を軽くする「省力化」「省人化」は不可欠だ。

 コンビニ3強時代を生き抜くためには、味や価格だけではなく、働きやすさへの投資、循環型社会に向けたプラスチック・食品ロスなどへの対応、さらには「買い物難民」など過疎地対策にも目を向ける必要がある。時代の要請や地域ニーズにどう応えるかも競い合ってほしい。