沖縄県糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂を管理している公益財団法人沖縄協会(野村一成会長)が、参観料や資産運用収入の減少に伴う財政難に陥っている。経費節減に努めてきたが、経年劣化による補修工事などの予算確保に苦慮し、毎年約2千万円を財団の資産から取り崩している。このままでは継続的な運営も危ぶまれ、協会側は支援の寄付を募っている。

平和祈念堂では鎮魂コンサートなどを催し、恒久平和への思いを表してきた=6月、糸満市摩文仁

新垣昌頼専務理事(右)に寄付金を手渡す重田辰弥会長=9日、東京都千代田区の協会本部

平和祈念堂では鎮魂コンサートなどを催し、恒久平和への思いを表してきた=6月、糸満市摩文仁 新垣昌頼専務理事(右)に寄付金を手渡す重田辰弥会長=9日、東京都千代田区の協会本部

 1978年に開堂した祈念堂内に安置されている高さ約12メートルの平和祈念像は、戦没者を追悼し世界平和を希求する象徴として、芸術家の故山田真山さんが18年余りをかけて原型を制作。建造から41年がたち、数年後に1億円前後をかけて大規模な防水補修工事が必要になるという。

 協会によると、参観者は減少傾向で、2018年度の有料入館者は約6万1千人。参観料収益は17年度2032万円から18年度1797万円に減った。金融機関に委託した資産運用も、近年の低金利などの影響で思わしくないという。

 協会側は「協会のみの努力では予算確保が限界に来ている」とし、祈念堂の安定した管理・運営のため、県内外からの寄付を呼び掛けている。

 協会は16年から税額控除対象法人と認定され、寄付した人は税制優遇措置が受けられる。本年度の寄付目標は200人。新垣昌頼専務理事は「平和祈念のシンボルでもある祈念堂を守っていきたい。ぜひ協力をお願いしたい」と話した。

 東京都内の県関係者でつくる「三月会」の重田辰弥会長が9日、都内の協会本部を訪れ「窮状に役立ててほしい」と同会と個人分を合わせて計10万円を寄付した。