沖縄県農林水産部は12日、トウモロコシやイネなどの農作物を食い荒らし、被害を与える病害虫のガ「ツマジロクサヨトウ」の幼虫1匹が、本島北部で11日に発見されたと発表した。同部営農支援課農業環境班の大田守也班長は「現段階で大量発生はしていないが、引き続き警戒していきたい」と話した。

ツマジロクサヨトウの成虫の雄(植物防疫所ホームページより)

 県は、3日に鹿児島県でツマジロクサヨトウが確認されたことを受け、那覇植物防疫事務所と、8日ごろから県内全域で緊急調査を実施していた。11日に本島北部の飼料用トウモロコシの畑で、このガと疑われる幼虫を発見、12日に那覇植物防疫事務所がツマジロクサヨトウと確認した。

 県内全域の調査は終了しているが、県は15日、幼虫が発見された畑のトウモロコシを刈り取り、ほかにも個体がいるかどうか調べる。周辺の追加調査もする予定だ。新たに発見された場合は、植物防疫法に基づき農薬を散布するか、早めに作物を収穫して対応する。

 ツマジロクサヨトウは繁殖能力が高く、サトウキビやトウモロコシなど80種類以上の農作物に寄生する。風に乗って1日に100キロもの距離を飛来する能力を持つ。

 南米など熱帯地域が原産だが、近年はアフリカや東南アジア、中国、台湾でも生息が確認されている。アフリカでは、トウモロコシが食い荒らされる壊滅的な被害があった。

 国内では、3日に鹿児島で初めて発見され、熊本や宮崎、大分、長崎へと分布区域を急速に拡大している。毒はないため、直接触れたり、付着した農作物を食べたりしても人体への影響はない。