「観光立県」を掲げる沖縄で、違法な白タクとみられるYナンバー車両が、外国人観光客向けに観光タクシー業を始めている疑いが出てきた。フェイスブック(FB)では白タクの安さや運転手の気さくさを評価する外国人観光客らしき人の書き込みがある一方、観光関係者からは「沖縄のイメージダウンにつながりかねない」との懸念が出ている。

外国人観光客らしき人の書き込み。「素晴らしいサービス」などと感想を述べている

 白タク運転手の一人は、自身の所属するグループなら正規タクシーの50~60%の料金で観光用にチャーターできると指摘。北谷町のアメリカンビレッジから本部町の美ら海水族館までを例に挙げ、「正規タクシーだと1万5千円くらいだと思うが、(白タクなら)8千円くらいだろう」と安さを強調した。

 これまで乗せた外国人観光客についても「ドイツ人やタイ人、台湾の人もいた。フェイスブックを見て予約してくる」と語った。

 東南アジアからの観光客とみられる女性は「予約時刻ちょうどに到着した運転手は気さくで、安全に空港まで届けてくれた」と投稿。米国人男性は「空港まで半額」と書き込んでいた。

 フォロワーが4800人を超えるアカウントは、同じ名前の別アカウントを持ち、そこで県内のイベントを紹介している。各地のエイサーイベントやビアフェスタなどの開催場所や日時を事前に投稿。「混雑が予想されるため早めの予約をお願いします」と利用を呼び掛けている。

 2500人余りのフォロワーがいる別のアカウントは「他のグループの管理者は稼ぐことばかりで、乗客のことをあまり考えていない。私たちはそうじゃない」などと投稿し、差別化を図っていた。4月に開設されたばかりのアカウントもあり、白タクがビジネスとして拡大している可能性もある。(社会部・西倉悟朗、比嘉太一)

■観光客の安全が何より重要

 下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長の話 外国人観光客向け白タクが広まり、事故でも起きれば、観光立県である沖縄のイメージダウンにもつながりかねない。観光客の安全・安心は何より重要だ。日本の関係機関が連携し、実態把握や取り締まりに努める必要がある。

 外国人観光客に対応するため、ビューローではこれまで、県内のタクシー乗務員らに多言語コールセンターの活用などを呼び掛けてきた。今後もタクシー利用促進に向けた支援策を考えていかなければならない。

 米国では相乗りが普及しており、おそらく抵抗がないのだろう。インターネットで予約の依頼ができるとなれば容易に乗車できる環境がある。日本全体で考えなければならない課題だ。