肉や魚のほか、卵や乳製品など動物由来の食品を口にしないビーガン(完全菜食主義者)への関心が県内で高まっている。ビーガン対応の飲食店は県内で50店舗ほどに増え、全国的に見ても多いという。「ヴィーガン男子」として県内外での講演会や会員制交流サイト(SNS)で情報を発信している宜野湾市のダンテ・オレールさん(29)は「外国人観光客が増える中で食の多様性に対応できるよう、ビーガンへの意識を高めたい」と話す。(学芸部・伊禮由紀子)

県産食材を使ったさまざまなビーガン料理を一度に楽しめる島の五穀御膳(浮島ガーデン提供)

ヴィーガン祭りを開催しているダンテ・オレールさん(左)と久高ゆいさん=沖縄タイムス社

県産食材を使ったさまざまなビーガン料理を一度に楽しめる島の五穀御膳(浮島ガーデン提供) ヴィーガン祭りを開催しているダンテ・オレールさん(左)と久高ゆいさん=沖縄タイムス社

 ビーガンは健康志向の高まりや動物愛護、環境保護の観点から食品に加え、革製品の使用も避ける人々で、欧米を中心に広まっている。県内でも米軍基地に住む外国人の影響や海外からの観光客の増加などで、ビーガンの認知度が高まりつつある。

 米国出身のダンテさんは、畜産工場で食肉処理の実態を知り、人が動物を虐待をしていると考え、19歳でビーガンになることを決意。約5年前に沖縄に移住し、普及のため県内で毎年ヴィーガン祭りを開催している。年々盛り上がりをみせ、ことし4月のイベントには約40店舗が出店し、約3千人が来場した。

 ダンテさんと共にイベントを主催する妻の久高ゆいさん(26)も動物愛護の目的でビーガンの食生活を選んだ一人だ。「サラダしか食べないと思っている人もいるが、肉の代わりに大豆ミート、牛乳の代わりに豆乳など代用食品を使うことで料理のバリエーションも多い」と話す。「一気に食生活を変えるのは大変だけど、段階的に取り入れると意外と簡単にできる」

 那覇市のビーガン対応レストラン「浮島ガーデン」では県産食材を使ったメニューを提供する。人気はひき肉の代わりに島豆腐を使った「名物ベジタコライスセット」(1400円)。ランチ限定の「島の五穀御膳」(1980円)は、五穀や島野菜を使った14品ほどのビーガン料理が一度に楽しめる。

 ヒエを使った穀物フィッシュフライ、久高島のタカキビで作る肉団子、島野菜のモーイ豆腐、島豆腐のチーズ、牛乳の代わりにもちきびの甘酒で作ったソフトクリームなど季節によって旬のメニューを用意する。

 店長の玉置裕也さん(32)は「五穀を使って肉や魚の食感や味わいを出している。添加物や化学調味料を一切使わないのがこだわり」と話す。県産の有機野菜を使い、地元の農家を支える目的もあるという。アレルギー対応や宗教による食事制限など一人一人に合ったメニューを提供するといい「客の8割が外国人観光客の日もある」と、需要の高まりに期待を示した。