【与那原】琉球民謡音楽協会(金城清徳会長)の第18回民謡コンクール(6月29、30日・南部総合福祉センター)で、町内の山川まゆみ民謡研究会の15人が新人賞から難関の大賞まで挑み全員合格を果たした。50歳の「若手」から舞台活動しながら挑戦し続けてきたプロ、そして小学生まで多彩な弟子を指導した山川さん42は「みんな稽古で泣くのをこらえ、合格して涙を流した」とたたえた。(南部報道部・松田興平)

民謡コンクールで全員合格を果たした山川まゆみ民謡研究会の受験者ら=9日、与那原町・同研究会

 コンクールは三線、太鼓などの部門で新人、優秀、最高、大賞とレベルが上がっていく。優秀以上から合格基準が上がり、1教室から10人以上受けて全員合格は難しい。

 同研究会の受験者最年長で三線歴3年の松尾秀樹さん(50)は、親子ほど年の差がある姉弟子と兄弟子と腕を磨いて新人賞に通った。「1回きりのつもりだったが、この年では味わえない緊張感と喜びを知った。次も受ける」とすでに優秀賞の曲を練習中だ。

 優秀賞に挑戦した神谷友彩(ゆあ)さん(10)=与那原小5年=は節回しの難しさに稽古中は涙をこらえるのに必死だった。受験後は安心感で号泣。「足と手が震えた。歌声はいつも通りだったと思う」と笑って振り返る。

 コンクール最高峰の大賞に受かった宮城マナミさん(20)は三度目の正直で合格。母であり師の山川さんらと「ゆいゆいシスターズ」として全国の舞台に立つ。プロでありながらアマチュアが多く参加するコンクールにも挑み続けていた。

 宮城さんは「私たちのファンで、三線愛好家の人たちも同じ受験生として一緒に審査を受けた。いつもは観客である方々の目の前で、また落ちるわけにはいかなかった」と胸をなでおろす。

 曲を自在にアレンジすることがプロの力量。だが、原曲へ忠実に従うことが求められるコンクールでは持ち前の豊かな表現力を抑えなければならなかった。ただ、作品を誠実に読み込み、描写する大切さも再認識できた。

 今回の成果は、10代から民謡歌手として活動してきた山川さんの経験値が指導に生きた。16歳のころ、子ども向けテレビ番組「ひらけ!ポンキッキ」で歌った「ユイユイ」がヒットし、全国で沖縄の歌を広めてきた。

 民謡はしまくとぅばの上、恋や人生訓などがえん曲的な表現でつづられる歌詞も多い。自身が習得に苦労した時代を思いだし、子どもの心にも染みこむよう歌意をそしゃくして伝えた。「歌を体得するには年齢ごとに難しい面が異なる。全員がみっちり作品と向き合った」と評した。