国際女性デーとは

 国際女性デー(International Women’s day)は、女性への差別撤廃や地位向上などを目指す国際デー。毎年3月8日に世界各地で啓発イベントや記念行事が行われている。政治や経済、国、民族、文化などを超えて多くの権利を勝ち取ってきた女性たちをたたえる日でもある。

国際女性デーの起源

 1908年にアメリカニューヨークで女性の参政権を求めたデモが起源と言われている。国連によると、「アメリカ社会党は、1908年にニューヨークで発生した縫製労働者のストライキで、女性が労働条件の改善を訴えたことを記念し、この日を指定しました」としている。

 その後、1910年にコペンハーゲンで開かれた国際社会主義会議で、女性の参政権や権利向上を求める「女性の日」を制定した。

 国連は国際婦人年に当たる1975年、3月8日に「国際女性の日」を定めた。

2019年のテーマ

 2019年の国際女性デーのテーマは「平等に考え、聡明に構築し、変化のための革新を(Think Equal, Build Smart, Innovate for Change)」。

 国連日本事務所によると、2019年のテーマは、社会保障制度や公共サービスへのアクセス、安定したインフラなどの分野に着目した上で、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントを促す革新的な方法を重視する。

 構造的なバリアを取り除き、女性や女児が取り残されないようにするには、「いつも通り」を覆す革新的なアプローチが鍵となる。

 イノベーションとテクノロジーはこれまでにない機会を与えてくれるが、デジタル分野におけるジェンダー格差は拡大している。女性は科学や技術、工学、数学、デザインなどの分野で過小評価される傾向にある。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などにおいて、女性のアイデアや経験が、未来の社会をつくるイノベーションの設計、実装に影響を与えることが極めて重要となる。今年の国際女性デーは、業界のリーダーや新興企業、社会起業家、ジェンダー平等のための活動家、女性のイノベーターたちと、技術革新がジェンダーに対する障壁を取り除き、進歩を加速し、ジェンダーに対応した社会システムへの投資を促進することを目指す。

世界の国際女性デーについて

 イタリアではこの日、「フェスタ・デラ・ドンナ(=女性の日)」として、日ごろの感謝を込めて男性が女性にミモザを贈る日。それにちなんで、国際女性デーが「ミモザの日」とも呼ばれるようになった。

 2019年の国際女性デーでは、女性の地位向上や差別撤廃を求めるデモ行進が世界各地で行われた。

 女性への暴力が深刻なトルコでは、最大都市イスタンブール中心部でデモが起きた。当局は行進を禁じたが、性差別や暴力反対を訴えるプラカードを持つ女性たちが多数集まり、夜になって治安部隊が排除した。

 ブラジル最大都市サンパウロでも中心部に女性数千人が結集。スペインでは首都マドリードで37万5千人、北東部バルセロナで20万人がデモに参加したと地元メディアが伝えている。

 ベルギー首都ブリュッセルでは、「女性のストライキ」があり、数千人が「男性優位の社会を終わらせよう」「私の体は私の自由」と訴えて行進した。

 米ニューヨークマンハッタンの公園では、働く女性への連帯を呼びかける集会があり、トランプ政権下で逆風を受ける移民への支援の呼び掛けも目立った。

 国際労働機関(ILO)は女性の労働に関する報告書を発表。2018年に世界で管理職に占める女性の割合は27・1%と3割近くに達した。日本は12%にとどまり、先進7カ国(G7)で最下位だった。

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日本の国際女性デーについて

 ウィメンズマーチ東京2019実行委員会は、性に基づく差別や暴力をなくしたいとの思いをアピールすることを目的に、2017年から取り組んでいる。2019年は約450人が参加。手作りのプラカードを掲げ、実行委員会で準備したコールをしながら、東京・渋谷の街を歩いた。

 同実行委員会がマーチ開催に向けて発表した声明では、あらゆる人権侵害に反対することを表明。例えば、戦時性暴力、在日外国人差別、沖縄の基地問題などは、人間が尊厳を持って生きることを妨げる問題であり、性に基づく差別や暴力と地続きの問題としている。

 声明では日本政府に対して、「憲法条を含む憲法の改悪をやめること」「男女間の賃金格差を是正する措置をとること」「夫婦同姓強制および再婚禁止期間の撤廃を含む民法改正を行うこと」「優生保護法下における強制不妊手術について、国の責任を認め、被害者中心アプローチによる被害の回復を行うこと」「基地周辺における性暴力の現状を理解し、新たな基地建設を中止すること」―などの実施を求めている。

 「女性のエンパワーメント推進と社会活性化」を目的としたHAPPY WOMAN実行委員会(事務局・一般社団法人ウーマンイノベーション)は、2017年から「国際女性デー HAPPY WOMAN FESTA」をスタートさせた。国際女性デーを日本の新たな文化行事として定着させ、女性が生き生きと生きられる社会の実現を目指す。

 2019年の国際女性デーは、沖縄でも初めてイベントが開催された。

 恩納村で行われた県内初の「ハッピーウーマンフェスタ」では、女性が輝く社会の実現に向け、約60人が女優の田中律子さんのヨガ教室と「アートオブリビング」インターナショナル認定講師の今井新子さんの講話を楽しんだ。

 多様性のある社会の実現を目指して、女性議員の増加を目指す市民団体「クオータ制を推進する会(Qの会)」は国際女性デーを前に、国会内で集会を開いた。議会に女性議員を増やし男女平等の政治が、日本社会を明るい未来につなぐものになると、市民・有権者、議員一人一人に強くアピールする」という宣言を採択した。

 企業でも国際女性デーに賛同する動きが広がっている。

 日本マイクロソフトは女性社員に感謝し、応援する取り組みを実施。黄色を象徴カラーとして、女性社員への感謝の気持ちとしてミモザのブーケを配布している。 

 大手コンサルティングのアクセンチュアは、毎年国際女性デーにあわせ、世界規模で全女性社員が集うイベントを開催している。日本でも、基調講演やゲストスピーチ、グループディスカッション・パネルディスカッションなどを通じて、女性社員が交流を深める。「女性が本当に活躍できる組織づくり」を目指し、イベントを通して、女性社員だけでなく男性社員の意識改革にも取り組んでいる。

国際女性デーのイベントでヨガを楽しむ参加者=恩納村コミュニティーセンター

記事紹介:「国際女性デー」ヨガで心身磨く/恩納村 初のフェス | 沖縄タイムス紙面掲載記事 | 沖縄タイムス+プラス

記事紹介:女性がもっと輝いて、楽しくやりがいを持てる環境へ。日本マイクロソフトの国際女性デーの取り組み | プレスリリース | 沖縄タイムス+プラス

記事紹介:国際女性デー前に国会内で集会 「女性議員増やそう」 | 共同通信 ニュース | 沖縄タイムス+プラス

まとめ

 女性の権利と世界平和を目指す国際女性デー。毎年3月8日、女性の差別撤廃や地位向上などを訴えるイベントが世界各国で行われている。市民レベルだけでなく、政治や企業でも女性の活躍を推進する活動、取り組みが広がっている。

 2019年の国際女性デーのテーマは「平等に考え、聡明に構築し、変化のための革新を」。さまざまな障壁を取り除き、女性たちのニーズにあったサービスやインフラを構築することを目指す。