【参院選:安里氏の敗因】

投票終了後、テレビの開票速報を見守る安里繁信氏=21日午後8時、那覇市牧志の選挙事務所

 次期沖縄振興計画策定を重点政策に掲げ、選挙に初挑戦した自民公認の安里繁信氏は、期待を寄せた無党派層の支持が伸び悩み、敗北した。辺野古新基地建設の賛否を避けたことで、公認を受けた自民党や保守系市町村議らとの間に溝が生まれ、万全な選挙態勢が構築できなかった。

 安里氏は無党派層への浸透を図るため、会員制交流サイト(SNS)を積極的に活用。青年部を中心とした集会の開催など、若年層と無党派層の取り込みを強化した。だが、支持の広がりに欠き逆風をはね返せなかった。沖縄タイムス社と朝日新聞が21日に実施した出口調査で、無党派層の支持率は2割強にとどまった。

 自民県連が辺野古推進の立場を取る一方、自身は6月22日の政策発表で「口が裂けても推進と言えない」と発言。新基地建設に否定的とも受け取れる発言をしていた。この発言が尾を引き、大きな後ろ盾となるはずの自民県連内から批判の声が噴出。十分な支援を得ることができなかった。

 さらに組織態勢を構築すべき自民県連の腰は重かった。安里氏が選挙に初挑戦したにもかかわらず、選対の構成は出身企業グループのシンバホールディングス社員が中心だった。自民県連の支援は限定的で、各支部への選挙物資の手配など、基本的な選挙事務が停滞。結果的に保守票も取りこぼした。

 経済界の動きも鈍かった。安里氏は日本青年会議所会頭や沖縄観光コンベンションビューロー会長などを歴任し、経済界の代表として選挙に臨んだ。

 しかし、物議を醸した過去の言動などへの反発から、これまで自民候補者を支えてきた企業の協力は限定的。組織票を積み上げることができなかった。(参院選取材班・仲本大地)