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「公認取り消しても…」自民と公認候補者の溝 自民県連幹部「大失敗」 苦戦の背景 参院選2019沖縄(1)

2019年7月23日 08:34

 「もう、公認を取り消してもいいんじゃないか」。政策発表を5日後に控えた6月18日。沖縄県議会であった自民党沖縄県連の議員総会で県議の一人は不満をぶちまけた。(参院選取材班・大野亨恭、仲本大地)

従来は企業からの支援者らでにぎわう選対事務所だが、今回はスタッフが少なかった=6月20日、那覇市牧志いとみね会館

 不満の先は、参院選候補者として自民が公認したシンバホールディングス元会長の安里繁信氏(49)。名護市辺野古の新基地建設問題で、自民県連が「推進」の立場を取る中、安里氏が賛否を明示しない曖昧な態度を崩さないことにいら立ちを強めていた。

 辺野古問題でできた自民と安里氏側の深い溝。だが、実は選考のスタート時点からすきま風はあった。

 今年1月、県連の候補者選考委員会は安里氏擁立を「全会一致」で決定したと発表した。だが、県連関係者によると21団体で構成する複数の委員が反対した。安里氏が沖縄観光コンベンションビューロー会長を務めていたときの言動に端を発したものだった。

 従来、自民候補の選挙に注力する企業幹部は「安里氏の振る舞いを気に入らない人は少なくない。今回は静観だ」と支援を拒否。別の企業関係者は昨年の知事選で自民が候補者を擁立したにもかかわらず安里氏が立候補したことに不満を募らせ「支援はしないがやりたいなら挑戦させればいい」と消極的に擁立に賛同した。

無党派「2割強」

 迎えた6月22日の政策発表会見。安里氏は辺野古移設に関し「口が裂けても推進とは言えない」と反対とも取れる発言をした。同席した北部の複数の町村議員は耳を疑い「もう僕らは動かない」と吐き捨てた。

 安里氏が曖昧にしたのは新基地建設に反対が根強い無党派層を取り込むためだ。総決起大会では若者を意識して音楽ライブの演出をするなど独自色を出した。ただ、投開票当日に本紙などが実施した出口調査では無党派層の支持は2割強にとどまった。県連幹部は「無党派層も取れず、保守からも反発を受け、戦略は大失敗だ」と解説する。

 だが、安里氏は約23万4900票を獲得した。県内の自公を合わせた保守票は22万~24万とされており安里氏選対の幹部は「企業の支援を受けなくてもいい戦いができた」と評する。

 これに対し県連幹部は、集まったのは自民党本部が比例代表で擁立した医師や郵便、建設などの「組織内候補」の比例票に付随した票にすぎないと冷ややかだ。別の幹部は、安里氏は善戦したと評価した上で、こう皮肉った。

 「これで懲りて、次期知事選や国政選挙を諦めてくれればいい。そう考えれば、参院一議席の犠牲は仕方がない」

◇    ◇

 21日に投開票された第25回参院選は「オール沖縄」勢力が推す高良鉄美氏が約29万8千票を獲得して勝利した。参院選の裏側や政局への影響を探る。

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