沖縄県本部町の高山啓子さん(83)は衣服の虫よけに野草のモロコシソウ(サクラソウ科)を使っている。方言名は一般的にヤマクニブ。「伊豆味ではヤマクニバとかカバサンギーと言う。蚊もゴキブリも寄ってこない」と話す。
モロコシソウは茎丈約40センチ、黄色い花が落花し約5ミリの種子が結実する。沖縄では古くから乾燥させて防虫に使われていた。
啓子さんによると、草を天日干しで乾燥させ、タンスの周囲に10本ぐらいつるすという。「孫やひ孫にもこの草のことを教えてあげたい」と話す。隣近所の高山セツさん(80)は「かつてはタンスから衣服を取り出した時、ヤマクニブの爽やかな香りがした」と懐かしんだ。(玉城学通信員)