非行で少年院送致となった少女たちが更生を目指す糸満市の沖縄女子学園。10代後半の生徒が、訓練士の指導を受けて、殺処分される可能性があった雑種犬「マチ」にしつけを行っている

▼週2回、学園を訪れるマチは、喜んで生徒に駆け寄る。生徒は柔和な表情で頭や体を優しくなでる。当初は戸惑いもあったが、3カ月を経た今、「妹みたい」な存在になった

▼捕獲などで収容された犬猫の殺処分減を目指す県の成犬譲渡促進事業に、同学園が初参加した。少年院としてこのような取り組みは全国初といい、情操教育や社会貢献などの効果を期待。犬や生徒、地域の三者の笑顔を願い「スリー・スマイルプロジェクト」と名付けた

▼マチは「待て」や「伏せ」などを習得し成長。新たな飼い主が決まったことがこの日、生徒に伝えられた。生徒は「力になってあげられた」と実感。「殺処分は嫌。将来の仕事として動物関係も少しずつ考え始めた」と語る。プロジェクトは来月終了する

▼県動物愛護管理センターなどに収容された犬猫は2017年度で3027匹。うち引き取り手がなく殺処分となった犬猫は1421匹に上る。改善傾向にあるが、全国で14番目に多い数だ

▼生徒とマチが心通わす姿に一つの可能性を感じる。さまざまな知恵を集め、命の重みを受け止められる社会を目指したい。(内間健)