沖縄県浦添市の障がい者就労支援センターすばる(又吉里見施設長)は自動車のシートベルトを再利用したバッグを開発し、施設内で販売している。自動車のリサイクルを手掛ける拓南商事(うるま市、川上哲史社長)からシートベルトの提供を受け、原料を調達。身体に障がいのある作業員が月最大20個を生産する。頑丈なシートベルトはリサイクルの用途が限られており、バッグにすることで就労支援とリサイクルの幅を広げる「一石二鳥」の効果を生んでいる。(政経部・仲田佳史)

障がい者就労支援センターすばるが作っているシートベルトを再利用したバッグ

シートベルトを再利用したバッグを手にする障がい者就労支援センターすばるの作業員と、琉球ブリッジの谷中田洋樹代表(後列左)=浦添市城間

障がい者就労支援センターすばるが作っているシートベルトを再利用したバッグ シートベルトを再利用したバッグを手にする障がい者就労支援センターすばるの作業員と、琉球ブリッジの谷中田洋樹代表(後列左)=浦添市城間

 拓南商事では月平均約6千台の自動車を解体し、リサイクル部品を取り出している。ドアやボディーなどの鉄製の部品はグループ会社の拓南製鐵が溶かして鉄筋に作り替えている。シートベルトは加工処理され、鉄の強度を高めるカーボンの代替品として鉄と一緒に溶かされる。拓南商事リサイクル事業部の名波和幸課長代理は「シートベルトは頑丈で破砕がしにくい原料。再資源化が課題となっていた」と話す。

 建築資材販売の琉球ブリッジ(浦添市、谷中田(やちゅうだ)洋樹代表)は、米国でシートベルトを原料にしたバッグが製造されていることを知り、取引があった拓南商事と「すばる」の双方に提案。「すばる」と2017年4月から1年半かけて、デザインや縫製の仕方などを検討した。

 シートベルトの色に合わせて縫製の糸を変え、濃淡の違いにも対応できるよう10種類の糸を用意。県衣類縫製品工業組合から譲り受けたかりゆしウエアの端切れを柄のワンポイントとしてあしらい、大・小2サイズの手提げかばんを開発した。18年10月の沖縄の産業まつりで販売を始めた。価格は両サイズ共に税込み4千円で、ファスナー付は500円増。口コミで商品が広まり、徐々に注文が増えている。

 又吉施設長は「親に給料を渡せる仕事ができたことで作業員も楽しんでやっている」と話す。谷中田代表は消防ホースをリサイクルする新たなバッグも計画中で、「作業員の賃金アップにつなげたい」と意気込んだ。