延長十三回で力尽き、甲子園にあと一歩届かなかった興南高校のエース宮城大弥さんに、海の向こうから突然プレゼントが届いた。「興南の宮城投手いいわぁ。投げ方、球筋、総合的に好きすぎる。俺あんなピッチャーになりたかったわぁ」
▼28日ツイッターに書いたのは、米大リーグカブス投手のダルビッシュ有さん。高校生のようになりたい、と公言できるスーパースターはなかなかいない
▼気持ちも技術も、惜しみなく分かち合う人だとずっと感じている。10年前に出版した「ダルビッシュ有の変化球バイブル」では、現役なのに握り方やこつを全面公開した。当時は異例だった
▼ツイッターを始めたのは9年前で、プロ選手として早くから意見を公にしてきた。シリアで拘束され、解放されたジャーナリストに非難が集中した時は「誰かがいかないと内情がわからない」と擁護した。自身に批判が向いても、根気よく応えた
▼ネットメディア「REAL SPORTS」のインタビューに答えている。「賛否両論あるということは、自分が何も包み隠さず自分らしく生きられてる証拠だと思うので(略)すごくうれしい」
▼違う意見があって当たり前。新聞記事も賛否両論を巻き起こすくらいの熱がなければ、世の中は少しも動かせない。ダルビッシュさんの自立した精神に学ぶ。(阿部岳)