サトウキビの増産に伴い、県産黒糖の生産量が伸びる中、製糖工場が合計3247トンの在庫を抱えていることが29日、県黒砂糖工業会(西村憲代表理事)のまとめで分かった。2016年度以降、サトウキビの豊作が続き、黒糖生産量は9千トンで推移する一方で、国内の県産黒糖の需要は7千~7500トンにとどまる。輸入糖との競合や新規販路の開拓ができていないことなどが要因で、多くの黒糖が県内の倉庫に眠ったままだ。(政経部・津波愛乃)

倉庫に保管されている約1千トンの黒糖(那覇港総合物流センター、県黒砂糖工業会提供)

県内の黒糖生産量の推移

倉庫に保管されている約1千トンの黒糖(那覇港総合物流センター、県黒砂糖工業会提供) 県内の黒糖生産量の推移

 同会によると、八つの黒糖工場が抱える在庫は、17~18年産が605トン、18~19年産が2642トンで計3247トンに上る。

 さらに、取引先の倉庫には、17~18年産が4041トン、18~19年産が5177トンの計9218トンが保管されているという。合計すると1万2465トンの在庫があり、国内で1年間に必要とされる県産黒糖の約1・7倍に上る。

 通常、破損や商品取り換えなどの予備として、約千トンの黒糖を保管している。その3倍となる3千トン超は「これまでにない在庫量だ」と、関係者も危機感を示す。

 県産黒糖の県内外への販売数量は10~17年度にかけて7千トン前後で推移。16年度以降、黒糖が9千トンと安定的に生産量を伸ばす一方で、新規販路の開拓ができず、安価な輸入糖にシェアを奪われたままだ。

 黒糖生産量が9千トン超となった16年度以降、本来のニーズよりも多めに買い取る取引先もあったが、在庫を消化できないことから、18~19年産を買い控える業者もあり、販売数量は伸び悩んでいる。

 一方、サトウキビが不作で黒糖生産量が5638トンになった11~12年期には、安定供給できず契約を打ち切った業者もあったという。同会の本永忠久専務理事は「新規取引先の開拓も重要だが、安定的に一定量を供給できる生産体制の確立も必要だ」と話す。