戦後最悪といわれる日韓関係が沖縄観光にも影響を与えはじめている。好調な観光のブレーキになりかねず、長期に及べば、県経済全体の足を引っ張りかねない。

 県が発表した6月の入域観光客数は86万8200人、単月で過去最高を更新した。

 外国客も3カ月ぶりに増加したものの、韓国は前年より減少し4万5200人にとどまった。ベトナム観光や中国渡航など旅行先が多様化したためとみられる。

 日本政府が半導体材料の輸出規制の強化を発表したのは今月1日。7月以降の影響が気掛かりだが、航空便はすでに影響が出ている。アシアナ航空(韓国)の沖縄関係路線で7月の平均搭乗率は、前年と比べて約1割低下した。

 沖縄ツーリストによると、7月中旬から団体ツアーの一部に沖縄旅行を取りやめる動きが出ているという。

 8月に予約が入っていた団体客のうち、半数がキャンセル。9月以降も伸び悩み、先が見通せない状況だという。

 ジュネーブで開かれた世界貿易機関(WTO)の一般理事会では日韓とも非難の応酬を繰り広げた。

 韓国側は日本の半導体材料の輸出規制強化は元徴用工訴訟問題を巡る報復だ、と主張。日本側はいかなる歴史問題とも関係がない、と反論し、平行線だった。

 韓国側は日本をWTOに提訴する準備を進めていることを表明。対立は長期化し、日本経済へも影響を及ぼしかねない。日韓両国に早期の関係改善を強く求めたい。

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 日韓対立の影響は沖縄だけでない。地方経済や自治体・民間交流にも広がっている。

 日本の地方空港と韓国を結ぶ航空路線が相次いで運休に追い込まれている。

 韓国南部・釜山市は日本と交流を中断することを決めた。実際に民間交流が中止される自治体も出てきた。

 韓国では日本製品排除運動も拡大している。

 今月12日発表の韓国ギャラップによる世論調査に注目したい。日本に「好感が持てる」と回答した人は12%と1991年の調査開始以来最低。「好感が持てない」は77%。一方で、日本人に「好感が持てる」は41%、20代では51%に上る。「好感が持てない」は43%。日本と日本人を区別しているのである。

 両国が厳しい関係にあるからこそ、双方の市民は草の根交流を途絶えさせないよう努力を続けなければならない。

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 政府は8月2日にも、安全保障上の輸出管理で優遇措置を取っている「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正をし、閣議決定する方向だ。半導体材料3品目から電子部品や工作機械など「千品目以上」に拡大するとみられ韓国のさらなる反発は必至である。東アジアの平和と安定のために日韓が共同して取り組むべき課題は多い。除外は慎重であるべきだ。

 現在の両国の外交は機能不全に陥っている。互いに頭を冷やす必要がある。改善を急ぎ事務レベルで交渉を積み重ね、両首脳が対話に着く環境を整えてほしい。解決の糸口を探るにはそれしかない。