坂本龍一の生い立ち

【坂本龍一】プロフィール・生い立ち

 1952年1月17日生まれ。東京都中野区出身。日本のミュージシャンで音楽プロデューサーとして、世界的に活動している。米ニューヨーク在住。

坂本龍一さん

 1970年に東京都立新宿高等学校を卒業し、同年に東京芸術大学入学。在学中に電子音楽に出会った。1974年東京芸術大学の音楽学部作曲科を卒業し、同大学院音響研究科修士課程に進み1976年修了。

 1970年代後半から音楽グループ「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」に参加し、人気ミュージシャンとなる。YMO時代にはテクノポップなどの分野で活躍した。

 プロデューサーとして他のアーティストへの楽曲提供も数多い。映画『戦場のメリークリスマス』では映画に俳優としても出演。手がけた映画音楽では日本人初の英国アカデミー賞の作曲賞を受賞した。

 1987年公開の映画「ラストエンペラー」では日本人初のアカデミー作曲賞を受賞。ゴールデングローブ賞、グラミー賞最優秀オリジナル映画音楽アルバム賞など世界的な音楽賞を受賞し、世界的アーティストの地位を確立した。

スカイプ」で沖縄タイムスのインタビューに答える=2015年11月12日、米国・ニューヨーク((c)2015 キャブ・アメリカ)

 近年は沖縄の基地問題や平和、環境問題に関しても発言する機会が多い。2000年代半ばに話題になった電気用品の販売を巡るPSE問題においても坂本が中心人物として参加した反対運動が実を結んだ。

坂本龍一「咽頭癌(いんとうがん)」を乗り越えて

 2014年7月10日、所属事務所が中咽頭癌であること、療養に専念するためにコンサート活動などを中止することを発表した。コンサートなど、公演スケジュールを自身の健康に起因する理由でキャンセルしたことはそれまでなかった。

 2015年8月に映画『母と暮せば』の音楽で仕事復帰した。沖縄の女性歌手、古謝美佐子さんらの女性ユニット「うないぐみ」と「弥勒世果報-undercooled」を10月に発売。その際、「ぼくも、うないぐみの皆さんも、アメリカ軍基地の辺野古移設で沖縄の海と貴重な生態系が壊されることに反対です。この曲の売り上げはコストを除いた全額を辺野古基金に寄付します」とのコメントを出した。

うないぐみと坂本龍一さんがコラボレートした「弥勒世果報」。ジャケットはCoccoさんが手掛けた。

 2015年11月には沖縄の地元紙沖縄タイムスの単独インタビューに応じ、名護市辺野古の新基地建設について「凶暴なまでに法を無視して強行している。理不尽なことだ」と述べ、基地建設に反対の姿勢を示した。日本の「平和」や「言論の自由」に関する現状についても「非常に危機的状況」と指摘。「できるだけ明確に反対意見を言わないと、全体主義体制になってしまう」と警鐘を鳴らした。

 辺野古で続く市民の抗議集会やデモにも言及し、新基地建設反対の沖縄の民意を踏まえ「選挙結果もきちんと出ている、世論調査のアンケートでも結果もはっきりしているのにそれを政府が無視するなら、それ以外の他の方法を取らざるを得ないのは当然」と理解を示した。

 また、辺野古や安保法制の強行採決で「民意と国会や政府がねじれている。民意が反映されない状態で今の日本の民主主義に疑問を抱かざるを得ない」と指摘。「国民の間に空気として自主規制のようなムードが広がっている」「明確な意識を持たないうちに自主規制が広がっているのは大きな問題」として現状への危機感をあらわにした。

 2016年には沖縄県で開催された米軍属による女性殺害事件に抗議する県民集会に向け、沖縄タイムスにメッセージを寄せた。「沖縄だけに痛み、苦痛と侮辱を何十年もおしつけておくべきではない。もうたくさんだ。基地、米軍、武力が必要なら日本人の全てが等しく背負うべきだ」と訴えた。

 安倍晋三首相が進める集団自衛権や改憲、憲法9条改正に反対し、国会前のデモにも参加するなど批判している。

記事紹介:坂本龍一さん「何でそこまでして沖縄が犠牲に」 本紙インタビュー | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

記事紹介:沖縄県民大会に坂本龍一さんらメッセージ きょう午後2時開催 暴行殺人事件に抗議 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス  

今後の活動

 若い頃は古典芸能などの日本の古典的文化を「戦前のナショナリズムの象徴」として否定的に捉えていた。一方、長い海外生活を経て近年は関心が強くなり、日本の古典的文化を積極的に学ぶようになった。

 2019年2月には日経ビジネスのインタビューで10年後の音楽について「もうちょっと枯れたらいいな」と発言。「YMOの頃、元気がよかった頃の自分の音を聞くとものすごく乱暴に感じる。よく言えばエネルギーに満ちているんだけど乱暴。あんな乱暴なものはもう弾けないです。どう転んでも、あんな音は出せません」と説明している。

坂本龍一さん

 今後の音楽に関しては「自分が作る音楽だから人工には違いないんだけど、津波ピアノの音を受け入れるように、なるべく自然と対立しない音楽を作りたいと思っています。それが今の一番のモチベーションです」と語っている。

 2019年5月には唯一のソロコンサート『FRAGMENTS with SHIRO TAKATANI』をシンガポールで開催した。
 

まとめ

 坂本龍一は日本代表するミュージシャン、音楽プロデューサーで、世界的な知名度を誇る。テクノポップのグループを結成して一世を風靡し、「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」などの映画で提供した楽曲で、国際映画祭で作曲賞を受賞するなどして世界的にも評価を高めた。政治・社会問題でも発言し、オピニオンの分野でも強い影響力を持つ。平和、環境問題、言論の自由などの普遍的テーマについてメッセージを発信している。長い海外生活を経て、近年は日本の古典、文化にも関心を深めている。