祖父母など両親以外が子どもを育てている沖縄県内の養育者世帯のうち「貯金はしていない」と答えた世帯が68・1%を占め、経済状況が「大変苦しい」との回答も30・4%に上ったことが31日、2018年度の県ひとり親世帯等実態調査で分かった。同調査は5年に1度で、養育者世帯を対象に含めたのは初めて。世帯の年間平均総収入は経済的に厳しい状況にある母子・父子世帯より一層低く、子どもの病気・障がいやいじめ、不登校などに悩む割合も高い傾向にあった。(社会部・篠原知恵)

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世帯の年間収入の平均値

子育てについての悩み・不安

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子育てについての悩み・不安

■相談相手も不足し孤立

 経済的な困窮に加え、相談相手も不足しがちな養育者世帯の孤立が浮かび上がる。調査を評価・分析した琉球大学人文社会学部の本村真教授は「養育者世帯の課題は今まで見えづらかった。相談体制を充実させるなどの対策が不可欠だ」と指摘した。

 養育する子どもとの続柄は「祖父母」が75・4%と最多で、「おじ・おば」(14・5%)、「兄・姉」(2・9%)と続く。養育者は60歳以上が4割を占めた。

 児童扶養手当や年金を合わせた養育者世帯の年間平均総収入は235万円で、母子(278万円)、父子(333万円)の両世帯より低い。養育者世帯のうち生活保護費を主な収入とする世帯は8・7%で、母子世帯(3・1%)、父子世帯(0・7%)を大きく上回った。経済状況について「大変苦しい」を含めた「苦しい」の合計は76・8%だった。

■いじめ・不登校目立つ

 実親がいなくなったのをきっかけに子と同居したケースが大半。養育者世帯となった前後に困ったことは、7割が「家計(生活費)」と答え、「子育て・教育」や「子どもの心のケア」を挙げる養育者も半数ずついた。

 子育てに関する現在の不安や悩みは、母子・父子世帯と同様に「進学(費用面)」が最多。一方で「病気・障がい」は15・9%と母子・父子世帯の2倍以上高く、「いじめ」(11・6%)や「不登校」(7・2%)、「非行」(5・8%)の割合も全て母子・父子世帯を上回った。

<調査の方法>

 県が市町村を通し18年11月に調査票を配布・回収し、母子742世帯、父子138世帯、寡婦108世帯、養育者69世帯の計1057世帯から回答を得た。回収率は27・48%。18年8月1日時点での県内全世帯に占める母子世帯の割合は4・88%、父子世帯0・74%、寡婦世帯1・70%、養育者世帯0・08%。