東村高江のイタジイの木が生い茂る水辺には、貴重な野鳥が集まる。高江で農業を営む西銘晃さん(66)が自宅周辺に自動カメラを設置すると、気持ち良く水浴びするヤンバルクイナ、オシドリの夫婦が2羽のひなを育てる姿が映っていた

▼撮影から1カ月たった先日、西銘さんが水辺周辺を案内してくれた。オシドリのひなは親鳥の大きさにまで成長し、この場所をすみかに元気に飛び回っているようだ

▼上空には米軍機も飛び交う。2017年に米軍普天間飛行場所属のCH53E大型輸送ヘリが不時着・炎上した牧草地は、水辺のすぐそばだ。のどかな風景に不釣り合いな黒い煙と真っ赤な炎、そして焦げた機体の残骸。西銘さんは、スマホに保存していた当時の映像も見せてくれた。二つの映像を見て、沖縄の現実を改めて考えた

▼高江では米軍のヘリパッド建設で森林が減った。オスプレイが低空飛行を繰り返し、騒音、低周波音、排ガスなど生態系に影響を及ぼす害をまき散らしている

▼沖縄防衛局が高江(牛道集落)に設置している騒音測定器では、60デシベル以上の騒音が18年度で7千回もあり、11年の設置以降最多だった

▼守るべき自然と、それを侵す米軍の存在。やんばるの森は世界に誇る「生物多様性の宝庫」だが、米軍基地から目をそらしたままの自然保護には無理がある。(吉川毅)