祖父母など両親以外が子どもを育てている県内の養育者世帯が厳しい状況にある。養育者を初めて対象に含めた2018年度の県ひとり親世帯実態調査で明らかになった。より手厚い支援が必要だ。

 養育者世帯の年間平均総収入は235万円。児童扶養手当や年金などを合わせたもので、母子世帯や父子世帯よりも約50~100万円低くなっている。

 養育者の75%は「祖父母」で、いずれか一人の勤労収入と児童扶養手当や年金、生活保護などの限られた収入で子どもを育てるという深刻な生活実態が浮かび上がった。

 養育者世帯のうち、貯金をしていない世帯は68%にも上り、低年金・無年金が多いといった県内高齢者の姿も映し出す。

 これまで見えづらかった養育者世帯の困難を可視化したデータである。

 子育ての不安や悩みなどは「進学(費用面)」が最も多く、「病気・障がい」「いじめ」「不登校」「非行」などが続く。複雑な養育課題を抱えていることが分かる。養育者の困窮が子どもの成長になんらかの影響を及ぼしているのではないか。

 多くの課題を抱えているにもかかわらず、養育者が「孤立」している状況も懸念される。心配事や困ったことなどをどこ・誰に相談しているかの質問には、17・4%が「相談相手がいない」と回答した。

 就労や孤立させない支援などひとり親世帯の支援策は講じられているが、養育者世帯の実態に合った支援策の見直しが必要だ。

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 ひとり親世帯の大半を占める母子世帯の年間平均総収入は278万円で、全国の母子世帯より70万円低くなっている。貯金をしていない割合も半数を占め、「10万円未満」が15・9%と急な出費が必要になった場合の対応が困難な状況がある。

 養育費を「最初から全く受け取っていない」世帯は7割近くで、16年度の全国調査よりも高くなっている。

 特に不安や悩みを感じていることには、父子世帯ともに「家計(生活費)」が最も多く、子育ての悩みは「進学(費用面)」の割合が高い。

 沖縄の子どもの貧困率は25%と依然深刻な状況にある。子ども食堂や無料塾など民間・行政のさまざまな支援も広がっており、一定の成果も出ている。

 だが、進学など子育てに関する経済的負担を感じている割合は高く、就学支援の拡充も求められる。

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 東京大学がまとめた気になる研究結果もある。生活保護受給世帯でアレルギーや歯の病気がある子どもの割合が一般世帯の10倍以上になった。特にひとり親世帯で割合が大きかった。

 経済的困窮などが子どもの健康に影響を与えることがあってはならない。

 県は子どもの貧困対策を重要政策に位置付けている。今回明らかになった養育者世帯をはじめとするひとり親世帯のニーズを丁寧に掘り起こし、相談体制や医療・福祉、教育など支援策を拡充する必要がある。