社説

社説[女性国会議員ゼロ]均等ほど遠く育成急務

2019年8月4日 08:30

 「政治分野の男女共同参画推進法」が施行されてから、初めての全国規模の国政選挙となった参院選。女性の当選者は28人で、過去最多に並んだ。

 一方、県内に目を向けると、2000年以降、ほぼ途切れることのなかった女性国会議員がゼロとなった。社会の多様な声を国会に届けるためにも、政治を志す女性の発掘と育成が不可欠だ。

 県内初の女性国会議員は00年に衆院議員に当選した元副知事の東門美津子さん。「沖縄から初の女性国会議員を」と訴え、女性票と無党派層を取り込んだ。

 04年には糸数慶子さんが参院選で初当選。その後、参院に島尻安伊子さん、衆院に比嘉奈津美さんと続いた。糸数さん、島尻さん、比嘉さんの3人が同時に国会で活動した時期もある。

 今回の参院選では、県関係の女性2人が比例代表で立候補したが落選。糸数さんが参院の任期を終えたことから、女性国会議員「空白地」になった。

 政治に男女双方の視点が反映されなければ、政策決定にひずみが生じる。特に沖縄は米軍基地から派生する人権侵害や環境汚染などの問題が深刻で、女性団体の代表らは「女性を取り巻く課題を改善するためにも、なり手を増やす必要がある」と話す。

 「立候補する女性がいない」という声はよく聞くが、意欲と能力のある人材はたくさんいる。生活に密着した地方議会から人材を育てていくことも必要だ。男性に偏りがちな候補者選びそのものの課題も指摘しておきたい。

    ■    ■

 昨年5月に成立した男女共同参画推進法は、国と地方の選挙で候補者の男女比をできるだけ均等にするよう政党に求めるものだった。

 その4カ月後に実施された統一地方選で、県内市町村の女性議員は過去最多の61人に達した。しかし定数に占める割合は9・4%と1割に届かず。女性議員がいない「ゼロ議会」も約3割に上った。女性と政治との距離はなかなか縮まらない。

 おきなわ女性財団の過去の調査で、女性議員のいない議会では女性登用など男女共同参画に関する質問が少ないことが分かっている。

 子育てや介護など女性たちが直面する課題に対応できない現実と、政治・行政分野への女性進出の遅れは関係しているといえる。

 推進法は努力義務を課す理念法だが、法律を飾りに終わらせてはいけない。

    ■    ■

 「女性の副知事登用」を選挙公約とした大田昌秀知事が、尚弘子さんを副知事に起用したのは1991年。東京都に次ぐ全国2番目の女性副知事として注目を集めた。その後の仲井真弘多知事も同様の公約を掲げ、計3人の女性副知事が誕生した。

 だが2011年以降、流れは途切れている。

 玉城デニー知事は昨年の知事選の政策で「男女共同参画社会の実現」を訴えた。

 暮らしの身近な課題の意思決定に関わる行政分野における女性の参画拡大も等しく重要である。

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