平成に広がった沖縄のソウルフードと言えば、肉厚のポークと卵焼きをご飯で挟んだ「ポーク玉子おむすび」(略してPTO)だろう。元々は家庭の味だったポーク卵を一気に普及させたのが、店舗数沖縄一のコンビニエンスストア「沖縄ファミリーマート」だ。発売から19年、沖縄ファミリーマートから、ついにポーク玉子おむすび「KING」が誕生した。ポーク2枚、卵焼き2枚という、まさに王の名にふさわしいボリューム満点のおむすび。熱を帯びる令和の沖縄コンビニ〝ポーク卵戦国時代〟の覇者となるのか! KINGにつながるPTO誕生秘話と商品作りのこだわりをリポートした。

ポーク2倍、卵焼き2倍のポーク玉子おむすび「KING」

四角いおむすびに衝撃。発売から19年、沖縄県民に愛される沖縄ファミリーマートの定番商品へと成長

 ポーク玉子おむすび生みの親が沖縄ファミリーマート現社長の野﨑真人氏だ。開発担当課長だった98年ごろ、ゴルフ場で販売されているポーク卵おにぎりに衝撃を受けた。当時、地方のコンビニといえば、東京のレシピを再現するのにしのぎを削っていた時代。「沖縄の家庭で日常的に食されているポーク卵を商品化して、当たるかどうかは挑戦だった」と振り返る。

ポーク玉子おむすび誕生秘話を語る野﨑真人沖縄ファミリーマート社長と、同社の商品を製造してきたみなと食品の城間雅啓社長

 野﨑氏と二人三脚で商品製造に携わることになった「みなと食品」社長の城間雅啓氏。「当時の工場はすべて手作りで、形もまちまちだった」。ラップで巻いた初代PTOは、宮古店オープンの目玉としてデビュー。1日1500個売れるヒット商品となった。沖縄サミットが開催された2000年、いよいよ本島に上陸する。「本土と違い、沖縄は沖縄らしい商品で勝負していい」。売れ行きに野﨑氏は確信したという。

こんがり焼き上がったスパムのポーク=那覇市港町のみなと食品

 そもそもなぜ、おむすびなのに「四角い」のか? 答えはシンプル。野﨑氏が好きだったスパム缶のポークをカットした形に合わせたら四角になった。こだわったのは「揚げないこと」。大量生産には揚げた方が効率はいい。しかし焼いたポークを好む県民の習慣に忠実に、オーブンでこんがり焼きつつ、ジューシーさを保つ製法を編み出し、卵も商用の卵シートは使わず丁寧に焼いて家庭の卵焼きの食感に近づけている。

ポークと卵をサンドするスタッフたち

 平成年間の進化は包装にも現れている。ラップからフィルム包装を経て、四角いサンド型おむすびに合わせた袋状のピロ包装に変化し、食べやすさもアップしている。何でもアチコーコーが好きな県民にとって、コンビニのレンジ加熱技術の進化はありがたい。

 現在、PTOシリーズは9.8秒に1個売れるという沖縄定番の商品に成長している。「県民に毎日食べてもらえる商品作りが一番。その象徴がポーク玉子おむすび。技術を磨き続けなければ今はなかった」と野﨑氏。19年前、産声を上げた商品が今も成長し続けていることに城間氏も「誇り」と胸を張る。

 そして究極のPTOとして今夏誕生した「KING」。最後の一口まで美味しく感じるポークと玉子の挟み方、お米の黄金比率まで追求した「一食完結」の極みをぜひ味わってほしい。

定番ポーク玉子おむすびシリーズ