「秘密基地」という言葉を聞くと、ワクワクする。小学生の頃、地域の仲間と秘密基地を作ることが夏休みの恒例だった

▼廃材や段ボールを集めて小屋を作り、マンガや雑誌、駄菓子を持ち寄って楽しむ。親には内緒の秘密も共有した

▼そんな少年時代を思い出させてくれるイベントが12日まで、宜野座村の漢那ドライブインレストラン跡で開催中だ。漢那小の児童が作った約60メートルのトンネル型秘密基地が、一般公開されている。中に入ると「マンガ」「音楽」「お絵かき」などの各部屋があり、自由な発想がいっぱいだ

▼指導したスイスの専門学校講師のイ・モフ・ナタリーさんは「ほとんどの子が秘密基地は初体験で、生き生きしていた」と話す。友達と共に作業し、役割を分担することで社会性も育つという

▼構想を固め、場所を見つけ、材料を集め、組み立てる。「秘密基地の作り方」の著者で日本キチ学会設立者の尾方孝弘さんは「大人が決めたルールからはみ出す行為を伴うこともあるが、失敗しながら社会の仕組みの正しさや間違いについて自分の力で考え、発想力を身に付けてくれたら」と説く

▼子どもたちには、いろいろ体験して、たくさんの思い出をつくってほしい。大人も童心に返り、子どもの遊びを手助けできれば、忘れていた冒険心を取り戻せるかもしれない。(吉川毅)