大弦小弦

[大弦小弦]墜落15年 沖国大の学生さんへ

2019年8月12日 08:51

 きょうのこの欄は、沖縄国際大の学生さんに宛てて書いています。米軍ヘリがキャンパスに墜落してからあす13日で15年になります

▼大学のアンケートに「風化させないためには」という質問があり、こう聞き返す人が複数いました。「風化させたくない理由は?」。私もちょっと不意を突かれたので、理由を考えてみることにします

▼幸いなことに、米軍にも大学、地域にも死者はいませんでした。ただ、怖い思いをした人はたくさんいます

▼赤ちゃんを抱いて自宅から逃げ、帰ってから寝床近くに散乱するガラスやコンクリートを目撃したお母さん。米軍機が頭上を飛ぶのは生まれた時から日常でした。小学生ら18人が犠牲になった墜落事故が過去にあったと知り、記憶の風化が次の事故を許したのではないか、と考えるようになりました

▼今、米軍機が飛んでいなければまだいいのですが、事故は起き続けています。原因である基地を取り除けない上に風化を許してしまったことを、上の世代の一人として申し訳なく思います

▼政府は普天間飛行場を辺野古に移すことが解決策だと言います。私は沖縄だけが危険にさらされ続けるのは差別だと思います。縁あって沖国大に通う皆さんも当事者の一人です。未来のために、政府も私も疑って、自分の考えを持ってほしいと願っています。(阿部岳

 
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