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「日本が属国に見えた」 米軍の規制で警察も消防も入れず 沖国大ヘリ墜落15年 稲嶺元知事に聞く

2019年8月13日 05:00

 2004年に起きた沖縄国際大学への米軍ヘリコプター墜落事故から13日で15年となる。当時、県知事だった稲嶺恵一氏(85)は大学への立ち入りを米軍が規制する状態を振り返り、「(日本が米国の)属国に見えた」と苦虫をかみつぶしたような表情を見せた。(聞き手=政経部・福元大輔)

沖縄国際大学の構内に墜落炎上した米軍CH-53ヘリ。米軍が現場の立ち入りを厳しく制限した=2004年8月13日午後3時25分、宜野湾市宜野湾

15年前の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故を振り返る稲嶺恵一元知事=7日、浦添市のりゅうせき本社

沖縄国際大学の構内に墜落炎上した米軍CH-53ヘリ。米軍が現場の立ち入りを厳しく制限した=2004年8月13日午後3時25分、宜野湾市宜野湾 15年前の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事故を振り返る稲嶺恵一元知事=7日、浦添市のりゅうせき本社

 -出張中のボリビアで第一報を聞いた。

 「午前2時か3時、秘書にたたき起こされた。知事として常に事故や災害が頭にあっただけに大変なショックを受けた」

 -予定をキャンセルして、帰国の途に就いた。

 「次のアルゼンチン訪問を楽しみにしていたが、迅速な対処が重要と考え、帰国した。相当な危機感を持っていた。小泉純一郎首相との面談は、夏休みを理由に断られた。けが人がいないことは最悪の事態を免れただけで、学業の場へのヘリ墜落の重大性を理解してもらえなかった。とてつもない温度差を感じた」

 -現場も視察した。

 「事務室のロッカーがなければ、飛び散った部品が職員に当たった可能性があると聞き、背筋がゾッとした。牧野浩隆副知事が記者会見で辺野古移設見直しに言及し、波紋を広げたが、現場を見て、副知事の強い危機感を共有できた」

 -日米地位協定も問題になった。

 「現場では警察も消防も米軍に立ち入りを規制された。日本の民間地なのに。主権国家として由々しき事態で、米国の属国のように見えた。ただ、けしからんだけで物事は進まない。知事として、日米地位協定の見直しを求める全国行脚をやった。米軍基地問題の理解を広げる突破口になると考えた」

 -15年で属国の状態が改善したとは言えない。

 「これだけの事故が起きても取り繕う程度の運用改善で終わった。もし東京都内で同じ事故が起きたらどうなるか。沖縄で起きたことに国民の実感は弱い。寂しさを感じる。世代が変わり、戦争体験者が減り、沖縄の心を知る人が少なくなった。沖縄と本土との温度差はさらに広がるだろう。沖縄側も戦略を練る必要がある。時代も変わった、人も変わったと認識することがポイントになる」

 -普天間返還は実現していない。

 「私が辺野古移設を推奨したのは辺野古沖合案に名護市、名護漁協も同意し、ギリギリの線でここしかなかった。04年の事故後の米軍再編協議で、それが変わった。基地内で工事を完結しようと、V字型滑走路の沿岸案が出てきた。私は反対した。北部市町村や経済団体は容認し、県の味方がいなくなった。時間がたち、問題が複雑になった。県は小規模の暫定ヘリポートなら容認すると言ったが、冷ややかに扱われた」

 「沖縄で基地を受け入れなければ普天間返還は実現しないと苦渋の選択をしてきた県民の意識は、民主党政権で鳩山由紀夫元首相が『最低でも県外』と言った瞬間に変わった。政府の見解であり、今の自民党も知らないではなく、重く受け止める必要がある。海兵隊の県外移設は可能と考える県民が多くなった。時間がたてば当然、考えも意識も変わる。そこに沖縄問題の難しさが集約されている」

 「沖縄問題は点ではなく、沖縄戦から続く線であり、面であることを訴えることが重要だ。そして、国民の半数近いコンセンサスを得なければならない。玉城デニー知事のフジロックフェスティバル出演などはこれまでの知事像になく、関心の薄い国民に沖縄問題を訴えるという意味で、面白い試みだったと思う」

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