花を手に、性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」が11日、県内で初めて開かれた。那覇市の県民広場には色とりどりの花を持った200人(主催者発表)が参加。「被害者は悪くない」「人の尊厳に関わる問題」。性暴力への怒りや被害者に寄り添う気持ちを静かに表した。無罪判決が相次いだことを受け、那覇を含む全国18カ所で開かれた。

花を手に性暴力撲滅を訴える参加者=11日午後7時すぎ、那覇市・県民広場

 司会者の呼び掛けで手を挙げた10人が登壇。自身の体験を打ち明けたり、連帯を訴えたりした。

 自宅に見知らぬ男が侵入し、顔を殴られ暴行されそうになったという女性は、どうにか逃げることができたものの、その後の警察や検察の聴取で絶望したと明かした。「どんな下着を着けていたか、どこまで触られたかなんて罪の重さとは関係ない。私は被害者を守らない国にいると思った」と声を震わせた。

 幼少期に痴漢の被害に遭った女性は「その時のことが何度もフラッシュバックし、自分に隙があったのかと考えながら生きてきた」と告白。「自分は悪くなかったと思えるようになったのは性教育を学び、友人も支えてくれたから」という。「性暴力は性別や年齢に関係なく襲ってくるもの。『あなたは悪くない』と被害者に寄り添ってほしい」

 一人一人話し終わると「頑張ったね」という言葉や温かい拍手が起こった。

 デモは3月以降に性暴力に関する無罪判決が相次いだことをきっかけに4月に東京と大阪で始まり、毎月11日に各地で開かれている。刑法改正を審議する検討委員会に性暴力問題に詳しいメンバーが参加することなどを目標に、来年3月まで続ける予定。沖縄では9月以降も開催予定。

■50年間消えない傷 被害女性訴え 「命、人間の尊厳とは何か」

 「あの時から半世紀以上、私の時間は止まったままだった」。マイクを握った女性(63)=北谷町=は13歳の時に性暴力の被害に遭って以降、苦しさを抱え続けてきた。

 その時のことはよく覚えていない。「後に相手は同じ中学の卒業生だったと知った。とにかく必死に逃げたことだけ覚えている」

 両親にも友人にも打ち明けられないまま大人になった。初めて人に話したのは5年ほど前、50代後半になってからだった。

 性暴力被害のニュースを見ると、必死に逃げた過去の記憶がよみがえり、苦しくなる。それでも、沖縄でデモがあると知ってタクシーで駆け付けた。「きょう公の場で話すことで人生の区切りにしたい。人間として生き直したい」

 性暴力を受けた人に対し、なぜ被害に遭ったのかなど「ジャッジする社会」でなくなればいいと願う。「無条件に受け入れてくれた友人がいたから、私は前に進む勇気が持てた。命とは何か、人間の尊厳とは何か、これからも訴え続けていきたい」と語った。