ロサンゼルスの中心部から車で南に1時間ほど移動した場所にあるラグナヒルズ。ここで2018年10月に開店して以来、「本格的なそばが食べられる店」として人気を集めているのが「蕎麦(そば)居酒屋みなみ」だ。そして同店に徐々に沖縄料理のメニューが増えつつある。店のオーナー夫人、服部(旧姓・東江)小百合さんが沖縄出身であることから、周囲に住む沖縄出身者のリクエストに応えるようになったのだという。

 小百合さんは那覇市生まれ。小禄高校出身で女子サッカー部のキャプテンも務めた。18歳で東京へ、さらにダンス留学を目的にニューヨークに渡った。その後、マンハッタンで飲食関係の仕事に就き、現在の夫のレイ服部さんと出会って西海岸に移ってきた。

 名古屋市出身のレイさんはアサヒビールのアメリカ法人の責任者を最後に退職し、レストラン業界に参入、最初に手掛けた店が「みなみ」だ。

 小百合さんは「彼と知り合った時に『レストランをやる』と言っていた。飲食のマネージャーをやっていた私は役に立ちたいと思ったと同時に、ぜひ、店で沖縄をアピールしたいと泡盛などのお酒も入れた」と振り返る。

 開店当初は、埼玉で沖縄料理店を営んでいる甥(おい)を呼び寄せ、2カ月だけ店を手伝ってもらった。その時、甥にアメリカの食材で作ることができる沖縄料理を提案してもらったそうだ。小百合さんは「今はジューシー、沖縄風タコスギョーザ、タコライス、ニンジンしりしり、ゴーヤーチャンプルー、豆腐チャンプルー、ジーマミー豆腐、黒糖ぜんざいをメニューに加えている」と話す。

 顧客には沖縄出身者だけでなく、沖縄に住んでいたというアメリカ人も少なくないそうだ。小百合さんは「今、ぜひメニューに加えて、とお客さんにリクエストされているのが沖縄そば。今年はレストランの仕事が忙しくて沖縄に帰ることができないが、次回の帰省は、店で出すための沖縄そばの研究も目的にしたい」と意気込む。一方のレイさんはアメリカでの沖縄料理レストランの可能性に着目。「沖縄出身の人が多いのに、意外なことに沖縄料理のレストランが少ない。今後、いろいろな土地で沖縄料理のレストランの出店も視野に入れていきたい」と抱負を語る。

 最後に「沖縄で何を思い出すか」と尋ねた。小百合さんは「海。そして何と言っても人の温かさ。沖縄の人に会うと、それだけで『応援するよ』って声をかけてくれる特別な温かさがある。ゆいまーる精神がある、かけがえのないふるさとだ」と答えた。

(写図説明)「蕎麦居酒屋みなみ」で沖縄料理を提供する服部さん夫妻=米ロサンゼルス郊外ラグナヒルズ