お盆の時期には、テレビで怪談番組が放送されたり、祭り会場などにある幽霊屋敷も大盛況。おばけも大忙しだ

▼生まれて初めておばけに興味を持ったのは、せなけいこさんの絵本「ねないこだれだ」という人も多いかもしれない。1969年の初版から今年で50年を迎えた今でも、子どもたちに人気だ

▼〈とけいがなりますボンボンボン〉〈こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう…。いえいえ、夜中はおばけの時間〉。遅くまで起きていた子どもが、おばけの世界に連れていかれる絵も強烈な印象を残す

▼息子たちに読み聞かせをしていた時、この絵本には、早く寝ないといけないという「しつけ」のメッセージがあると思っていたが、実はそうではないようだ

▼せなさんは「しつけしたり、脅したりするおばけだったら、子どもが好きになるはずはない」と、雑誌の取材に語っている。新作絵本「おばけのばあ」のあとがきにも「怖い怖いと言いながら、おばけに会いたいのが子ども。おばけだって、友達になりたいんですよ」と書いている

▼子どもたちの視点や感性を大事にしたいと思う。きょうは、旧盆に帰ってきた先祖の霊をあの世に送る「ウークイ」。ウートートーする子どもたちには、優しく見守っている先祖の姿が見えているかもしれない。(吉川毅)