高校スポーツの祭典で、県勢が偉業を成し遂げた。

 南部九州総体のなぎなたで、首里高校が2年連続3度目の団体優勝を果たした。首里高の山城り子主将は個人試合も制し、団体との2冠を達成した。技の優劣を競う演技では知念高校が頂点に立った。

 開催地の都道府県勢が全3種目を制覇するのは大会史上初となる。快挙をたたえたい。

 首里の団体決勝のレギュラーは5人中4人が3年生。中学時代から地元開催の今大会を照準に練習を重ねてきたという。昨年は先輩に引っ張ってもらった勝利だったが、今回はリードする立場で臨んだ。

 勝因は主将頼みからの脱却だった。前哨戦の6月の九州総体では山城選手の活躍が目立つ中で、他のメンバーの課題が浮き彫りになった。それぞれが技術、体力、精神面も鍛え上げた。チーム一丸となってつかんだ涙の連覇は、多くの県民に感動を与えた。

 初の県勢同士の対決で2位になった知念高校の活躍も光った。2010年の美ら島沖縄総体以来の団体優勝とはならなかったが、大舞台でチームがひとつになれたことが結果につながったと胸を張った。演技では堂々の日本一に輝いた。

 なぎなた界の発展は、1981年の県連盟設立にさかのぼる。87年の海邦国体に向け、選手や指導者育成に取り組んだ。以降、普及に向けた取り組みや育成が連綿と続き、強さを生み出している。

 「お家芸」としてさらなる発展に期待したい。

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 今総体で県勢の優勝は、ソフトボール男子の読谷高校の4校同時優勝と合わせて四つになった。

 頂点にはわずかに届かず、涙を流した選手、初戦で敗退し、悔しい思いをした選手も少なくない。

 だが、どの選手も競技後は自身のやってきたことを振り返りながら、次の目標に向かって前を見据える。一緒に練習を重ねてきた仲間や監督、応援に感謝し、後輩にたすきを渡してエールを送る。スポーツを通して成長していく姿は頼もしい。

 競技に勝敗はつきものだが、この経験が今後の人生の糧になることは間違いない。

 「先輩たちは格好よかった。次は自分たちが引っ張っていく」。2年生の控えの選手が笑顔で語る姿も印象的だ。経験をバネに来年は新たな勝利をつかんでほしい。

 20日まで熱戦が続く。残りの種目の活躍も楽しみだ。

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 来年の高校総体は東京五輪・パラリンピックの時期と重なり、東北から九州の21府県での異例の分散開催となる。

 全国高校体育連盟は経費不足から、競技によっては開催が危ぶまれるとして、インターネット上で寄付を募るクラウドファンディングを実施し、支援を呼び掛けている。予算確保のために特別基金を設置したが、目標に届いていないためという。

 出場機会が奪われることがあってはならない。高校スポーツの頂点を目指す舞台づくりを国民全体で整える知恵を出したい。